OITA SPORTS

4/13 MON 2026

supported by

平倉建設

バスケ バスケ

NEW!

南九州四県対抗選手権大会県予選 バスケットボール女子 大分が王者に返り咲き 第4クオーター勝負を制す 【大分県】

南九州四県対抗選手権大会県予選 バスケットボール女子 大分が王者に返り咲き 第4クオーター勝負を制す 【大分県】

第79回南九州四県対抗バスケットボール選手権大会大分県予選
4月12日 クラサス武道スポーツセンター
女子決勝
大分70(21―26、13―14、20―14、16―10)64明豊

 バスケットボールの南九州四県対抗選手権大会県予選の女子決勝。大分が明豊を70―64で下し、昨年の県高校新人大会以来となる頂点に返り咲いた。

 試合は立ち上がりから拮抗(きっこう)した展開となる。田所栞(3年)の鋭いドライブ、172センチの竹下希遥(2年)の高さを生かしたインサイドで応戦する大分に対し、明豊も積み上げた経験と組織力で応じる。第1クオーター(Q)は21―26、第2Qも13―14と追いかける形が続いた。だが、ここで焦りはない。むしろ、この展開こそが大分の狙いだった。

 井場田卓監督は今大会、従来の戦い方を大きく転換した。これまで終盤に失速してきた原因を「限られた主力に頼りすぎたこと」と分析。そこで採用したのが「ツープラトン」だった。これは5人1組のチームを二つつくり、交互にコートへ送り出すことで運動量と強度を保つ戦術である。スタミナ切れを防ぎながら多くの選手が試合に関われる一方で、連携や流れをつくる難しさも伴う。

ツープラトンを取り入れた井場田監督

 それでも井場田監督は、前半からベンチメンバーを含めて積極的に起用し、体力を温存しながら第4Qで勝負を決める形を徹底した。「リードされていても、4Qは自分たちの時間だ」。その意識をチーム全体に浸透させて臨んだ一戦だった。

 実際、大分は5人単位での総入れ替えを繰り返しながら試合を進めた。1、2年生中心のセカンドユニットも臆することなくプレーし、主力との差を感じさせない。ベンチメンバー13、14人を使いながらリズムを維持する戦い方は、従来の「精鋭型」とは対極にある総力戦だった。

 第3Q終了時点で54―54。完全な五分の状況で迎えた最終局面。ここから、積み重ねてきた「時間の使い方」が差となって現れる。大分の選手たちはなおも足が動き、集中力も切れない。一方で、試合を通して負荷を受け続けた明豊には、わずかな隙が生まれ始めていた。

 その隙を突いたのが、1年生の前田さくらだった。ベンチスタートながら要所で得点を重ねていたルーキーは、第4Qに入り一気に主役へと躍り出る。得意の1対1から連続得点。相手ディフェンスを揺さぶり、流れを引き寄せた。終盤にはドライブでバスケットカウントを奪い、勝負を決定づける。井場田監督が「今年はお前に託した」と語る信頼に、鮮やかに応えた瞬間だった。

王者に返り咲いた大分

 この日の大分には、かつてのような硬さがなかった。追い上げられても慌てず、むしろ「4Qで勝つ」という共通認識が、プレーに余裕をもたらしていた。過去の敗戦から学び、戦い方そのものを変えたチームが、終盤の安定感となって表れていた。

 さらに特筆すべきは、この勝利が万全の陣容によるものではなかった点である。大分は主力を欠く状況にあった。キャプテンや国スポ選出のガード、さらにはもう一人のエースも不在。それでも勝ち切ったことに、このチームの底力がある。

 「ここを勝てばインターハイ(全国高校総体)に行ける」。井場田監督の言葉には、確かな手応えがにじむ。同時に、この優勝が通過点に過ぎないことも示している。負傷者が戻れば、さらなる競争が生まれ、戦術の幅も広がるだろう。敗戦の連鎖を断ち切った一勝は、単なるタイトル以上の意味を持つ。積み重ねた試行錯誤が、最後に勝ち切る力へと進化させた一戦だった。



(柚野真也)

大会結果