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県高校総体前特集 バスケットボール男子(5)大分舞鶴 踏ん張りどころ 再起への助走 【大分県】

県高校総体前特集 バスケットボール男子(5)大分舞鶴 踏ん張りどころ 再起への助走 【大分県】

 県高校総体の開幕が目前に迫り、県内バスケットボール界の熱気は一気に高まっている。前哨戦となる南九州四県対抗選手権(南九対抗)県予選を制したのは柳ケ浦。本戦でも3戦全勝で頂点に立ち、県内では一歩抜け出した存在であることを示した。だが、その背中を追う勢力も確実に力を伸ばしている。3年ぶりの復権を目指す別府溝部学園、着実に地力を高める大分上野丘など、公立勢の台頭も見逃せない。本特集では、県総体直前の実力校5チームに焦点を当て、それぞれの現在地と可能性を掘り下げる。第5回は経験不足ゆえの未完成さと向き合う大分舞鶴。伝統校は苦しみの中で、再浮上への土台を築いている。

【チームパラメーター】( )は昨年の数値
オフェンス 5(8)
ディフェンス 7(8)
リバウンド 6(7)
シュート 6(9)
スタミナ 6(7)
高さ 6(6)

 強豪校の看板は簡単には外れない。だが、その看板を守り続けることもまた簡単ではない。南九対抗県予選で4強入りを逃した大分舞鶴は、今まさに変革期の只中にいる―。準々決勝の日田戦。第3クオーター(Q)に逆転し、一度は試合の流れを引き寄せた。しかし、勝負どころでミスが続き、相手の速攻を止め切れない。第4Qでは相手のハーフコートプレスにも苦しみ、64―69で敗れた。

 試合後、池田剛監督は淡々と現実を受け止めていた。「負けたゲームなので何を言っても言い訳っぽく聞こえてしまう。ただ、今日は負けるべくして負けた感覚もある」。言葉に厳しさはあるが、そこには現状から目を背けない指導者としての覚悟がにじんでいた。

県内屈指の強豪校として復権を目指す

 2018年の県高校総体優勝以降、大分舞鶴はタイトルから遠ざかっている。それでも県内屈指の伝統校として存在感を保ってきた理由は、毎年のようにチームをつくり替えながら戦ってきた土台があるからだ。しかし今季は、その積み上げが例年以上に難しい。

 経験値という面で未成熟さが残り、池田監督も「例年よりチームの出来上がりが遅い」と率直に認める。実際、チームパラメーターにも現在地は表れている。オフェンスは昨年の「8」から「5」へ低下。シュート力も「9」から「6」に落ちた。ディフェンスは「7」と一定の水準を保つ一方、絶対的な得点源は不在。「エース」を即答できない状況そのものが、今の課題を象徴している。

 苦しんでいる攻撃面だが、相手にインサイドを封じられた際、その次の展開をつくり出せない。「狙いどころを止められたあと、次の手が出せなかった」。池田監督の言葉通り、攻撃の引き出し不足は大きなテーマとなっている。

 それでも、悲観ばかりではない。今年の大分舞鶴には確かな伸びしろがある。池田監督が期待を寄せるのは、新1年生たちだ。南九対抗県予選にも大型ルーキーが出場。サイズだけでなく、外回りにも「面白い選手」がそろうという。「1年生は間違いなく県総体に絡んでくると思う」(池田監督)。その言葉には、未来への期待が込められていた。

強度の高い守備からチームをつくる

 若いチームだからこそ、成長曲線は急激に変わる可能性がある。経験不足ゆえに崩れた場面も、試合を重ねることで冷静さへと変わっていく。遠征で経験してきたはずのプレスに苦しんだことも、裏を返せば伸びる余地が残されているということだ。

 大分舞鶴のバスケットは伝統的に守備から流れをつくる。今季もディフェンス力そのものは大きく崩れていない。だからこそ必要なのは経験の少ない選手たちが攻撃で自信を持つこと。そして、自分たちの武器を理解することだろう。

 県高校総体、そしてその先のウインターカップ県予選へ。今の姿だけを切り取れば完成度はまだ高くない。だが、池田監督は「経験を積ませながら、若い選手たちが力を発揮できるようになることが大事」と語る。苦しい時期だからこそ、チームの本質が見える。踏ん張りどころに立つ伝統校は、再び上昇するための助走を始めている。


(柚野真也)

大会結果