大分トリニータ 10位からの逆襲 強化戦略の全貌 【大分県】

2025/06/13
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 前半戦ラスト1試合を残し、大分トリニータは10位。守備の安定を武器に粘り強く戦い抜いた前半戦を、吉岡宗重スポーツダイレクター(SD)の言葉から振り返る。

 

 「いい守備から、いい攻撃へ」。片野坂知宏監督が掲げた今季のコンセプトは、リーグ前半戦を通じて確実に形になりつつある。16位に終わった昨季の反省を踏まえ、チームはまず守備の整備に着手。自陣で守備ブロックを基盤とする戦い方で失点を減らし、引き分けが多いながらも負けないチームへと変貌を遂げた。順位は10位。プレーオフ圏内には届いていないものの、十分に射程圏内にいる。

 

 守備の安定に貢献したのは、既存戦力の意識改革に加え、新戦力のフィットだ。有馬幸太郎、天笠泰輝、榊原彗悟らが短期間で戦術に順応し、戦力として機能したことは大きな収穫となった。有馬はチームトップの5得点を挙げており攻撃の中心に。ただし、ボールを収めた後の展開や精度には課題も残る。吉岡SDは「より高い基準を求めていきたい」と語り、成長の余地に期待を寄せる。

 

 一方で、明確な課題として浮かび上がったのが「攻撃の構築」である。起点が定まらず、前線での時間の創出が不十分な場面が目立つ。野村直輝のように「時間をつくれる選手」の存在は貴重だが、野村だけに依存するわけにはいかない。ボールがない局面での動き、いわゆる「無駄走り」の質と量がゴールへ直結するポイントとなる。選手とスタッフが一体となり、ゴールに直結する動きを定着させることが後半戦のテーマだ。

 

守備強化で、負けないチームへと変貌を遂げた

 

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