トリニータ 2度のJ1昇格に導いた丸谷拓也がスパイクを脱いだ理由

2019/11/28
  • 大分トリニータ

 今季限りの現役引退を発表したMF丸谷拓也。2008年に広島でプロキャリアをスタート。2012年はシーズン途中、2018年はシーズン当初から大分に加入し、中盤の汗かき役として献身的に動き回り、2度のJ1昇格に導いた「昇格請負人」だ。今季ここまでリーグ戦6試合、カップ戦6試合、天皇杯3試合に出場したが、昨季は39試合に出場した。余力を残しての引き際にも映るが、丸谷は「引退の理由は僕の中にしまっているが自分で決めたこと。やることはやったし、すっきりしています」と言い切った。

 

 片野坂知宏監督は丸谷を「プロフェッショナルな男」と表す。プロ意識が高く、どんな状況でも真面目に練習に取り組み、模範となる選手である。今季はリーグ戦での出場は少なかったが、黙々と練習に励み、いつ出番がきてもベストパフォーマンスが発揮できるように手を抜かずに調整してきた。片野坂監督としても頼もしい存在だったに違いない。引退発表した次の日の練習後も「まだ2試合あります。先のことばかり考えていられない。目の前の試合に集中したい。それはカタさん(片野坂監督)をはじめ全員でやってきたことです。そこはブレてはいけない」と、今季の全日程が終わるまで準備を怠ることはない。

 

 引退を意識するようになったのは今年の夏頃だと言う。「悩みに悩みました。そんな簡単に決められることではないので。家族もいるし、いろんな方に相談しましたが、僕の中で(引退の)気持ちが変わりませんでした。最後は僕の決断です。まだプレーできるのではと思っていただけたらうれしいです。これまで、いろんな選手の引き際を見てきましたが、自分の引退は想像したことはなかったです」

 監督やスタッフには11月上旬に、チームメートには今週の練習始動日(26日)に話したと言う。片野坂監督は、予想していなかったので驚いたようだが、本人の意思を尊重した上で、「サッカーに対する真摯な態度は指導者に向いている。いつか、どこかで一緒にサッカーをしたい」と伝えるつもりだ。

2018年の入団会見では「J1昇格のために貢献したい」と語った

 

  • LINEで送る

関連記事

ページトップへ