3年生、夏物語 vol.4 野球 僕が明豊を選んだ理由 黒木日向(3年)

2021/08/28
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 幼い頃からの夢舞台だった甲子園。春夏連続出場した明豊の主力として、「思い切り野球を楽しんだ」と黒木日向。今は後輩の指導をしながら、次のステージとなる大学野球に向けて再出発を図る。「日本一の目標を成し遂げられなかったのは次への課題だが、明豊で高校野球ができたことを誇りに思う」と穏やかな表情で語った。

 

 春のセンバツ(第93回選抜高校野球大会)では準優勝の立役者となり、一気に全国区の好打者として注目を集めた。全5試合に出場し、チームトップ打率の5割、7打点、1盗塁をマーク。決勝では四番を打ち、「センバツでは理想のプレーができた」。このときの打撃感覚、精神状態は黒木の「立ち返る場所」として脳内にインプットされた。

 日本一の最後のチャンスとなった夏の全国高校野球選手権に向けた県予選では、見えない“センバツ準優勝”のプレッシャーに悩まされた。「絶対に負けられないという思いが強く、考えすぎて調子は良くなかった」。センバツのプレーを見直し、「楽しんでこそ野球。結果は後で付いてくる」と我に返ると、黒木らしい広角に打ち分ける柔軟なバッティングが戻った。県予選では4割2分1厘、3打点、7盗塁と結果を残した。

 

 確かな手応えをつかみ、挑んだ夏の全国高校野球選手権は雨で順延が続き、万全のコンディションで試合はできなかった。「集中力が切れた部分もあったかもしれないが、それは他の学校も同じ」と言い訳はしなかった。相手の好投手を打ち崩せず、初戦敗退。「もう終わったんだと思った。力を出せなかったのは自分の力不足」。思い描いた終わりではなかったが、高校球児憧れの舞台に2度も立った。そこまでにたどり着いた過程に思いをはせた。「明豊に来て間違いなかった」と改めて思う。

 

春夏の甲子園に出場した黒木日向

 

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