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ウインターカップ県2次予選展望 男女ともに実力伯仲

ウインターカップ県2次予選展望 男女ともに実力伯仲

 第71回全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の県2次予選が始まる。1次予選を勝ち抜いた精鋭4校が第2シードの4校と準決勝を懸けて戦い、勝者が第1シード(スーパーシード)の4強と対戦する変則トーナメントで、県代表の座を決める。ここでは男女注目チームと選手を中心に、大会を展望する。

 

大分舞鶴が充実の陣容。日田、別府溝部学園が追う

 

 男子は最後までどこが優勝するか分からない試合が続いた昨年とは異なり、6月の県高校総体同様に、大分舞鶴が頭ひとつ抜けている。昨年の主力メンバーが数多く残っているのが強みで、エースの久原大弥とともに別府北部中時代に全国中学バスケットボール大会で3位となった山崎蒔志、日高俊輔、川井健太の“北中4人組”に、リバウンド力のある楢原怜の3年生は盤石だ。4月に左膝前十字靭帯を損傷した山崎が復帰し、どれだけプレータイムを伸ばすことができるかがポイントとなりそうだ。得点もゲームメイクも担うエースに頼りすぎることになれば、準々決勝で姿を消した昨年の悔しさを味わいかねない。

 

 対抗馬となるのが日田、別府溝部学園。共に夏場は守備力向上に重きを起き、県外試合などを通じてチーム力を上げた。元々、攻撃力のあるチームである。日田は森山颯斗(3年)を中心に緻密なセットプレーの種類が多く、速攻と遅攻を織り交ぜた多彩な攻撃で決勝までたどり着きたい。別府溝部学園は新興勢力として、ここ数年で一気に力をつけた。2㍍を越える留学生選手の高さを生かしたインサイド攻撃は破壊力抜群だ。

 

 昨年、4年ぶりの優勝を飾った柳ケ浦は主軸が抜け、チームづくりが遅くなったが、県外遠征で変わらぬ力を見せつけている。190㌢の山内彩聖、木部翔太の3年生ツインタワーを軸に、攻守の切り返しの早いトランジションゲームで圧倒する。1、2年生に実力のある面白い人材がそろっていて、ひと夏越したことでチームは底上げされた。スーパーシードを逃したが、その分プレッシャーがないため大分上野丘同様に、勝ち上がりながら勢いをつけ、第1シードの4校に挑戦できそうだ。ダークホースとなりそうな大分雄城台津久見は、1次予選を勝ち抜き、自信を深め、波乱を起こす可能性を秘めている。

 

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中津北、藤蔭の牙城を勢いある大分が崩すか

 

 女子は前回覇者の中津北、県高校総体を制した藤蔭の2強を中心に、創部1年目ながら快進撃を続ける大分の3校で優勝争いが展開されそうだ。

 

 3連覇を狙う中津北は、現3年生が入学して以降、県の主な大会では負けたことがなかった。伝統の“鉄壁の守備”を武器に勝利を重ねたが、6月の県高校総体の決勝リーグで藤蔭に敗れ、連勝記録が途絶えた。1年の頃から主力としてコートに立つ平川稚尋(3年)は、「負けてから数週間は何も考えられなかった」と落胆したが、勝ち続けるプレッシャーから解き放たれ、「新しいことに積極的に取り組めるようになった」と話す。

 県高校総体後から個の能力を伸ばし、誰が出ても、どのポジションからでも攻撃できる新たなスタイルを構築し、今大会には挑戦者として挑む。

 

 中津北を破った藤蔭は県No.1の称号を手にし、一気に王者の風格が漂いはじめた。7月に開催された天皇杯・皇后杯全日本バスケットボール選手権大会都道府県代表決定戦では社会人の強豪チームに勝利し、優勝。攻守で自信を深め、充実した練習に取り組めている。芦川尚子監督は「失敗を恐れず、心からバスケを楽しむこと」を教え、練習も試合も選手から笑顔が絶えない。右膝前十字靭帯損傷から復帰し、精神的な強さを身につけたキャプテンの西田恵菜(3年)や菅妃菜里(3年)ら注目選手は多いが、チームワークも抜群。県高校総体同様にスマイル旋風を巻き起こす。

 

 初参戦の大分は、4月の南九州四県対抗選手権県予選以降、主要大会すべてでベスト4入り。創部1年目ながら県内の高校バスケットボールの勢力図を塗り替えている。現状に満足することなく、常に上を目指す彼女たちの今大会の目標はもちろん優勝。キャプテンの秋吉楓(1年)は「1年生8人で優勝を狙える最後のチャンス。歴史に名を残したい」と、オール1年生で出場する最後の大会と位置付け、一気に頂点へ駆け上がる覚悟だ。自信の裏付けは朝夕、毎日の2部練習にあり、「どこよりも練習してきた」自負がある。「早く試合をしたい」と怖いもの知らずの1年生軍団の勢いは続くのか、はたまた高校バスケットボールの集大成として3年生が残る中津北や藤蔭、大分商業、明豊が意地を見せるのか。ここが注目ポイントになるだろう。

 

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(柚野真也)

大会結果

2023年度