中津北高校 絶対王者のプライドを捨て、挑戦者として臨む

2018/09/27
  • 冬の全国大会

バスケットボール女子 ウインターカップ県予選(1)

 

 高校スポーツ冬の全国大会県予選の先陣を切って行われるバスケットボール。全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)県代表の座を懸けた戦いは7月に1次予選が行われ、10月13日に最終予選が始まる。

 女子は3連覇を狙う中津北、全国高校総体(インターハイ)に出場した藤蔭が優勝候補だ。新興勢力として力を発揮する大分を加えた3校に注目した。

 

 第1シードの中津北は現3年生が入学して以降、県の主な大会では負けたことがなかった。“鉄壁の守備”を武器にこれまで打倒・中津北を掲げた数々の挑戦者をねじ伏せてきた。「ディフェンスを一生懸命したチームが勝つ」と信じて疑わず、練習から突き詰めた。

 

 しかし、6月の県高校総体の決勝リーグで藤蔭に敗れ、連勝記録が途絶えた。勝ち続けることで試合数が増え、チームが消耗したことは否めない。得点源の選手のけがやコンディションのピークが調整できなかったことなど、敗因は一つではない。大津留礎監督は「必然的な負け。選手は精一杯頑張ってくれたが万全ではなかった」と潔く負けを認め、「苦々しい思いばかりだったが、負けたことでより深く自分たちを見詰め直すことができた。リフォームではなく、まずは全て壊して基礎から作り直した」。

 

 選手選考は学年を問わず、これまでの経験など先入観は一切捨てた。守備に重きを置いたスタイルも撤廃。スクリーンプレーやフォーメーションを使ったチームオフェンスより個人の能力を出し切り、シンプルに仕掛ける攻撃を構築した。「いかにオリジナルを追求できるか」を掲げ、新しい“中津北”を生み出すことに尽力した。

 

 これまでの伝統を受け継いできた3年生より1、2年生の方が新しいスタイルに馴染むのは早かったが、3年生にとって最後の大会となるウインターカップを前に“上級生の意地”が大きな力となっている。キャプテンの城戸美咲(3年)は「シュートに対する貪欲さが出てきた。新しいスタイルに自信はあるが、絶対に負けないという(中津)北の魂は変わることはない」と話す。1年の頃から主力として試合に出ている平川稚尋(3年)は、「あの(県高校総体の)一敗は忘れることはない。大会前のチームの雰囲気が良くなかった。今回は私たち上級生が積極的にチームを元気付けたい」とプレーだけでなく、精神的支柱としての役割を担いコートに立つ覚悟だ。

 

 負けを受け入れ、新たにスタートした強豪校は、挑戦者として今大会に臨む。彼女たちの秘めた思いがどのような形になるか今から楽しみだ。

 

新たなスタイルで再び頂点を目指す

 

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