大分上野丘高校 ポジティブに上を目指す。それが上野丘のバスケ
- 冬の全国大会
バスケットボール男子 ウインターカップ県予選(3)
高校バスケットボールの年内最後のビッグタイトルとなる全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の出場権を懸けた県予選が10月13日から始まる。注目校と選手を中心に紹介する連載、最終回は大分上野丘。
6月の県高校総体後に3年生がほとんど引退し、残ったのは久恒嵐史ただ一人。「ベスト4に残れず悔しさしかなかった。3年生は自分一人だが、先頭に立って得点、リバウンド、守備。全てでチームを引っ張り、高校バスケの集大成にしたい」と、今大会で完全燃焼できるよう、後輩たちとひと夏を過ごした。今村泰三監督は「3年生は県高校総体が終わってからうまくなる。肩の力が抜けて、本来の力が出るはず。(久恒)嵐史には“これぞ3年生”というプレーを後輩に見せてほしい」と期待する。
オールラウンダーの久恒以外は横一線。「先発は(久恒)嵐史以外は決まっていない」(今村監督)が、1年生には中学時代に県代表として都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会に出場した逸材もいる。戦力は整いつつあり、平均身長の低さをカバーするマンツーマンとゾーンの2つの守備戦術を使い分け、成功率の高いアウトサイドからのシュートで勝ち進みたい。
進学校ゆえに練習時間が短く、平日の練習はコート半面しか使えない二重苦を乗り越えるために、常に集中力を高く保ち、効率の良い練習メニューで力をつけてきた。今村監督は「与えられた環境で、いかに楽しくバスケができるか。自分自身が楽しめなければ上手くならない。楽しくなければ上野のバスケではない」と声高らかに言い切る。ポジティブな監督の影響もあり、選手に悲壮感はない。キャプテンの長谷川照(2年)は、「自分たちの力を出し切れば勝てる。勝って楽しみたい。シード校を倒し、頂点を目指す」と、揺るぎない自信を見せた。強豪校に比べ、プレッシャーは少なく、普段着のエンジョイバスケで下克上を起こす。
高校3年間の集大成として今大会に臨む久恒嵐史