
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
創部1年目の“1年生軍団”が快挙に向けて狙いを定めた。「1年生8人で優勝を狙える最後のチャンス。歴史に残るためには来年ではなく、今年優勝しなければならない」とキャプテンの秋吉楓(1年)。優勝しか視野にない。
中高一貫校の大分は、2015年に中等部女子バスケットボール部を創部し、1期生が今年4月に高等部に活動の場を広げた。公式戦デビューとなった南九州四県対抗選手権県予選で、いきなりベスト4入りする派手なデビューを飾り、その後は6月の県高校総体でも4強に入り、決勝リーグを戦った。「あの頃は中津北や藤蔭とはフィジカルで負けていた」と井場田卓コーチ。その差を埋めるためにフィジカルを強化するのではなく、あくまでも「テクニックで勝負するのが分高(いたこう)のスタイル」と毎朝6時から1時間45分、ボールハンドリングの基本練習を反復し、夕方は通常通りに練習する。毎日2部練習を課し、「どこにも練習量は負けない」と選手は大きな自信を得た。
技術の高さは8月の県高校1年生大会の圧勝劇で証明した。3試合で390点と爆発的な得点力を見せ優勝。相手チームが1人の選手に対して2人の選手でディフェンスをするダブルチームにきても軽々と突破する。それがコートに出ている5人だけでなく8人ができるから止めようがない。守ってもカバーディフェンスを有効に使い、試合巧者ぶりを発揮した。8人の1年生は勢いに乗れば手がつけられない強さがあり、接戦になっても「困難を楽しめるメンタルがある」(井場田コーチ)。
他校にとって全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)は、3年生の最後の大会。「3年生のために」との思いは強く、時としてプレッシャーになることもあるが、大分は挑戦者として気負いはない。一気に頂点を駆け上がる可能性は十分ある。
ボールハンドリングの基本練習を徹底する
キャプテンでエースの秋吉がチームの得点源。ドライブからのジャンプショットや3点シュートなど得点パターンは多く、どの距離からでもシュートが打てる。秋吉にマークが集まれば点の取れるポイントガードの有墨遥野(1年)が1対1を仕掛ける。高さがなくオフェンス、ディフェンスの両方のリバウンドが懸念材料だが、「8人でここまでやってきたチームワークで勝負したい」(秋吉)とゴール下は全員がブロックアウトをして、全員でボールに食らいつく覚悟だ。
得点力
★★★★★★★★★☆9
リバウンド力
★★★★★☆☆☆☆☆5
パス能力
★★★★★★★★☆☆8
3点シュート
★★★★★★★☆☆☆7
フリースロー
★★★★★☆☆☆☆☆5
守備力
★★★★★★★☆☆☆7
サイズ
★★★★★★☆☆☆☆6
経験
★★★★★☆☆☆☆☆5
キャプテンの秋吉楓(中央)を中心にチームワークは抜群
「バスケ女子 ウインターカップ県予選」連載記事はこちらから
(1)中津北高校
(2)藤蔭高校
(柚野真也)
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