全国高校サッカー選手権県予選特集 シード8校を徹底紹介(4)大分上野丘 3年生4人がつなぐ最後の大会 【大分県】
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全国高校サッカー選手権大会への切符は、ただ一枚。10月17日の県予選となる大分県大会開幕を前に、シード8校を紹介する。第5回は柳ケ浦。3大会連続で県4強と安定感はあるものの、あと一歩で決勝の舞台を逃してきた。激しい競争を力に変え、今度こそ4強の壁を越える。
昨年の全国高校サッカー選手権県予選、県高校新人大会、そして6月の県高校総体。柳ケ浦はいずれも準決勝で敗れた。県4強の座を守り続けていることは、安定した力を持つ証しでもある。しかし、目指している場所はそこではない。3年ぶりの全国高校選手権出場へ、越えられなかった壁を今度こそ突き破らなければならない。
そのために有門寿監督がこの夏に選んだのは、主力を固定して完成度を高める方法ではなかった。むしろ逆である。「練習試合や紅白戦を含めて、ほとんど同じメンバーで試合をしていない」。遠征や練習試合を数多く組み、システム、ポジション、選手の組み合わせを何度も変えた。前半と後半で布陣を変え、試合中にも配置を動かす。一つの形を磨き上げるのではなく、どんな状況にも対応できるチームをつくることに時間を費やした。
狙いは明確だ。今大会を11人だけで勝ち抜くつもりはない。「冬の選手権予選は総力戦だと思っている。本当に『誰が出ても戦える』というところには、かなり力を入れてきた」(有門監督)。夏の成果は選手層にも表れ始めた。夏休みまでセカンドチームでプレーしていた選手が9月にトップチームへ昇格し、高円宮杯JFA U―18 OFAリーグ(1部)の先発に抜てきされた。下から突き上げる選手が現れれば、これまで試合に出ていた選手もうかうかしてはいられない。大会まで続く競争そのものがチームを強くしている。

もちろん軸となる選手はいる。攻撃で違いを生み出すのがFW大石煌介(3年)だ。ドリブルで局面を前へ進め、フィニッシュまで持ち込める。この夏はゴールにつなげる最後のプレーにも磨きをかけた。MF岩崎海翔(同)はボールを受け、動き直し、味方へつなぐ。攻撃の流れをつくる潤滑油となる。
そして有門監督が「替えが利かない」と評するのがDF内藤健心(同)である。センターバックとボランチをこなし、高さと足元の技術を備える。さらに最後の大会が近づくにつれてリーダーとしての自覚も強くなった。戦術を変えながら戦う柳ケ浦にとって、複数の役割を担える内藤の存在は大きい。

ただ、「まだまだ競争。ここでメンバーを固めるつもりはない」。有門監督はそう言い切る。3大会連続の4強。それは柳ケ浦の力を示す数字であると同時に、越えられなかった壁の高さを突きつける数字でもある。だから、この夏は「絶対的な11人」をつくらなかった。誰かが欠けても、別の誰かが出て戦える。相手が変われば布陣を変え、試合展開が変われば選手の役割も変える。その選択肢の多さこそがチームの武器だ。
あと一歩を越えるために必要なのは、11人の力ではない。夏を通して積み上げてきた、チーム全員の力なのだ。 (柚野真也)
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