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全国高校サッカー選手権県予選特集 シード8校を徹底紹介(4)大分上野丘 3年生4人がつなぐ最後の大会 【大分県】

全国高校サッカー選手権県予選特集 シード8校を徹底紹介(4)大分上野丘 3年生4人がつなぐ最後の大会 【大分県】

 全国高校サッカー選手権大会への切符は、ただ一枚。10月17日の県予選となる大分県大会開幕を前に、シード8校を紹介する。第4回は県高校総体後に3年生の多くが引退し、1、2年生主体で選手権県予選に挑む大分上野丘。

 夏を境にチームの景色は大きく変わった。県高校総体で4強に進んだ大分上野丘だが、進学校ということもあり、大会後に3年生の多くが部活動を引退した。残った3年生はわずか4人。1、2年生を中心とした新しいチームで、全国高校選手権大会の県予選に挑む。

 ただ、これは単なる「世代交代」ではない。3年生が積み上げてきたものを下級生が受け継ぎ、さらに次へつなげる。そのバトンを渡す舞台が今大会となる。昨年の全国高校選手権県予選はベスト8。そこで味わった悔しさを力に変え、県高校新人大会、県高校総体ではともに4強へ進んだ。軸丸耕平監督は県高校総体を「3年生は本当に真面目で、実直にサッカーと向き合ってきた。その良さが出た大会だった」と振り返る。

 絶対的なエースがいるわけではない。だからこそ全員で戦う。球際で体を張り、苦しい時間帯でも耐え、仲間のために走る。突出した個の力に頼らない分、ピッチに立つ11人が力を合わせることで勝機を引き寄せてきた。その粘り強さは、新チームにも受け継ぎたい財産だ。そこに新たな可能性を加えようとしている。軸丸監督は「技術の高い選手が1、2年生には多い」。目指すのは培った粘り強さに、自分たちでボールを保持して試合を動かす力を加えることだ。

新チームのキャプテンとなった北田

 そのために、この夏はサッカーの技術だけでなく「意識改革」に取り組んだ。特徴的なのは選手自身が練習メニューを考えていることだ。指導者から与えられたものをこなすのではなく、何が足りないのかを考え、自分たちで練習を動かす。終了後にはリーダーを中心に振り返り、翌日の内容につなげる。

 「最終的には私が手を離しても選手たちだけでできるチームにしたい」。軸丸監督が求めるのは自分で考え、自分で決断できる選手である。その成長がピッチ上の判断にもつながれば若いチームは一気に変わる可能性を秘める。

 新チームの軸となるのがGK北田旺佑(2年)だ。技術とフィジカルに加え、後方から声を出せる。守備では1年時からレギュラーを務めるDF賀来玲音(同)が中心となり、攻撃ではFW稙田瑛汰(同)がカギを握る。経験を積んだ2年生たちが張り詰めた舞台でどこまでチームを引っ張れるか。そこにチームの浮沈が懸かる。

残った3年生は高校サッカーを悔いなくやり切る覚悟だ

 そして忘れてはならないのが、最後まで残った4人の3年生である。受験勉強とサッカーを両立しながら高校最後の大会までボールを追い続ける。軸丸監督は3年生に「長い人生を振り返ったときに最後までやってよかったと思ってほしい。そして後輩たちに、いいものを残してほしい」と願う。

 昨年の全国高校選手権大会の県予選ベスト8が、今年の二度の4強につながったように、一つの大会の終わりは次の世代の始まりにもなる。3年生にとっては集大成。1、2年生にとっては次への第一歩。二つの時間が重なる今大会で「次につながる勝利」を追いかける。 (柚野真也)


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