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クラブ訪問 陸上 大分ランニングスクール「LEGACY」 タイムを超えて受け継ぐもの 【大分県】

クラブ訪問 陸上 大分ランニングスクール「LEGACY」 タイムを超えて受け継ぐもの 【大分県】

 速く走るために必要なものは何か。練習量か、技術か。大分市で小・中学生を指導する大分ランニングスクール「LEGACY」の代表、志賀勇輝がたどり着いた答えは、もっとシンプルだった。「やっぱり情熱だと思う。速い、遅いは関係ない。速くなりたいという気持ちがあればいい」

 2024年にスタートしたLEGACYは、小学生が毎週水曜、中学生が月、火、木、金、土曜の週5回、午後6時から2時間練習する。800、1500、3000メートルなど中長距離の選手が中心だが、100、200メートルの短距離選手もいる。タイムによる入会基準は設けていない。学校に陸上部がない子どもたちにとっても、走ることのできる貴重な「受け皿」となっている。

それぞれが目標に向かって走る

 その根底にあるのは、志賀自身の競技人生である。中学、高校で全国大会を経験し、高校3年時には全国高校駅伝で都大路を走った。社会人でも競技を続け、長距離王国・ケニアへ約1カ月の武者修行にも出た。そこで目にしたのは、人生を懸けて走る選手たちのハングリー精神と、それとは対照的なほど純粋に走ることを楽しむ姿だった。

 「大人も子どもも目がキラキラしていた」(志賀代表)。速さを求めて渡ったケニアで、志賀が持ち帰ったものは、速くなるための方法だけではなかった。仲間と走る喜び、目標に挑む楽しさ。それこそが現在の指導の原点になっている。

 LEGACYでは、結果だけを追い求めない。陸上は努力がタイムという数字になって表れる競技だからこそ、一本一本の練習に向き合う姿勢を大切にする。そして、その積み重ねは着実に結果にもつながっている。

高校では都大路を目指す平岡

 平岡翼(王子中3年)は、中学1年の夏にSNSでLEGACYを知った。ライバルだった選手が通っていたことが入会のきっかけだった。「競技力だけでなく、仲間の大切さや一本一本の大切さを学んだ」。タイムは入会当初から大幅に縮まり、大分市総体3000メートルで準優勝。「高校では都大路を走れる選手になりたい」と次の舞台を見据える。

当面の目標は都道府県駅伝の出場となる植木

 植木玲菜(王子中3年)は小学6年からテニスに打ち込み、中学2年の夏に陸上へ転向。同時にLEGACYの門をたたいた。「陸上は好きだし、面白い」。目標は都道府県対抗女子駅伝の大分県代表、さらに高校ではインターハイ(全国高校総体)出場だ。

 競技を始めた時期も、走る速さも、目指す場所も一人一人違う。だからこそ志賀代表は、今のタイムだけで選手の可能性を測ろうとはしない。九州大会、全国大会、そしていつかは箱根駅伝へ。教え子たちが大舞台を走る姿を見ることは、指導者としての夢である。ただ、その先に志賀代表が見ているものがある。「陸上を続けなくても、努力することや目標に向かって頑張ること、人とのつながりを大切にすることは残る」。

 走ることを楽しみ、仲間と競い、自分の限界を少しずつ越えていく。その経験を未来へつなぐ。LEGACYという名の通り、ここで子どもたちに受け継がれていくのはタイムだけではない。走ることへの情熱そのものなのだ。 (柚野真也)


大会結果