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全国高校野球大分大会 プロ注目の右腕・平田玲翔(大分商業3年) 甲子園の先にプロがある 【大分県】

全国高校野球大分大会 プロ注目の右腕・平田玲翔(大分商業3年) 甲子園の先にプロがある 【大分県】

 打って、走って、最後は投げて締める。大分商業の平田玲翔(れいと、3年)が「プロ注目右腕」という肩書だけでは語れない万能性を見せつけたー。夏の初戦となった国東戦。2番指名打者で先発すると、初回、四回、六回に安打を放ち、八回には無死二、三塁から右翼線へ2点適時二塁打。4安打4打点2盗塁と打線を引っ張り、9―1の八回コールド勝ちに大きく貢献した。

 それでも本人の自己評価は「70点」だった。「打ち損じもあったし、ピッチングでは力んでボールが先行した。まだ改善できるところがある」。満足しない。その厳しさが、平田をここまで押し上げてきた。

4安打4打点2盗塁で打者としての才能も発揮した

 八回には4番手としてマウンドに上がった。この日の最速144㌔の直球を投げ込み、三者凡退。那賀誠監督からは「力まず行け」と送り出されたが、マウンドに立つとスイッチが入った。「抑えて投げるつもりだったけど、やっぱり出ちゃいました」。那賀監督も苦笑する。「もう少し抑え気味で投げてほしいんだけどね。マウンドに上がると全力でいってしまう。本人は止まらないので少し手を焼いている」。もっとも、その言葉には大きな期待がにじむ。平田の自己最速は150㌔。直球に加え、カーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリットを操り、現在はスライダーとスプリットの精度向上に力を注いでいる。

 大会1カ月前には肩と肘を痛め、投球を控えた。実戦復帰は直前だった。不安を抱えたまま迎えた初戦で、無理に長いイニングを投げなかったのは、この先を見据えてのことでもある。「もっと投げたいけど、投げさせてもらえないので我慢している。準々決勝、準決勝にピークを持っていきたい」。

 投手として注目を集める一方、打者としての能力も高い。50㍍6秒フラットの俊足を備え、走塁の判断力にも優れる。那賀監督は好調の1番・河野晃悠斗(あゆと、同)と平田を上位に並べ、「2人に多く打席を回したい」と狙いを明かす。

甲子園へのラストチャンスに全力投球

 冬場は球速と制球力の向上を目指し、スクワットなどで下半身を強化した。足回りが一回り大きくなり、投球の安定だけでなく打撃にも好影響が表れた。八回の適時二塁打は、少し詰まりながらも外野の間を破った。「冬の成果が出た打撃だった」と手応えを口にする。

 少年野球時代に憧れた先輩を追い、大分商業へ進学した。プロ野球選手を多く輩出し、投手育成に定評があることも決め手だった。プロへの思いは今も変わらない。「プロ野球選手になるために大分商業に来た。でも今はプロよりもまず甲子園。甲子園の先にプロがあると思っている」。キャプテンに就任してからは、野球以外の部分でも変化した。朝の清掃活動や学校周辺のゴミ拾いを続け、「地域の人に感謝される高校球児」を目指す。那賀監督は「キャプテンにした時は一か八かだった」と明かすが、今では「人間的に大きく成長した」と目を細める。

 最後の夏。平田は責任を背負いながらも悲壮感は漂わせない。「自分がチームを引っ張らないといけない。次も打って、投げて、走って貢献したい。でも、最後の夏なので思い切り楽しみたい」。目標は13年ぶりの夏制覇と甲子園出場。プロ12球団が注目する右腕は、まず仲間と共に目の前の一勝を積み重ねる。 (柚野真也)