大分工業高校ボクシング部 平川 拓夢(1年) file.879
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競技を続けたい。しかし、生活基盤も築かなければならない―。トップアスリートが抱える大きな課題を、地域全体で支える取り組みが大分で広がっている。
現役のトップアスリートと企業をつなぐJOC(公益財団法人日本オリンピック委員会)の就職支援制度「アスナビ」。その大分県版となる「第9回アスナビ説明会」がこのほど大分市内で開かれ、33社の企業が参加した。会場では制度の概要や採用事例が紹介された他、アスリートによるプレゼンテーションがあり、企業担当者は真剣な表情で耳を傾けた。
アスナビは、現役アスリートが競技を継続できる環境づくりと、引退後を見据えたキャリア形成を支援する制度。企業とのマッチングを進めることで、競技生活と社会人としてのキャリアを両立できる環境を整えている。一方、企業側にとっても、目標に挑み続けるアスリートの姿勢は、社内に新たな活力や社員同士の一体感が生まれるなど、さまざまなメリットがある。

県内では2014年度の事業開始以来、33の企業・団体に50人のアスリートが就職(内定)している。県競技力向上対策副本部長・山田雅文県教育長は「選手たちは各企業の温かなバックアップを受け、日々練習に励み、各大会で素晴らしい成績を収めている。選手たちの活躍が“チーム大分”を力強くけん引している」と感謝を述べ、企業とアスリートが築く信頼関係の重要性を強調した。
今回は就職を希望する3人のトップアスリートがプレゼンをした。ボクシング競技の河野泰斗(大分県信用組合)は全日本社会人選手権の3連覇を目指しながら、県内のボクシング競技向上に貢献したいと伝えた。レスリング競技の長野佑利(日本文理大学4年)は、「人として育ててもらった大分から日本一の選手となり、大分に恩返しをしたい」と、持ち前の継続力を武器に企業に貢献したい思いを語った。
また、ハンドボール競技(日本プロリーグ)のアスリート社員である芳山直樹(恵比寿化成)は地元大分に永住し、地域に根差し働きたいと力強く発表した。それぞれ競技に対するあふれる情熱を語り、説明会終了後は各企業との個別懇談もあった。

県教委体育保健課の平井徳尚氏は「アスナビを通じてさまざまな競技団体や企業、アスリートも含めて大分県がもっと元気で明るい街になってほしい。今後もアスリートはもちろん、地域部活動の指導員として頑張りたい卒業生とのマッチングにも取り組みたいと」と意欲をみせた。
競技で培った挑戦する力は、企業や地域を元気にする力になる。アスナビ・チーム大分プロジェクトはアスリートと企業、そして地域社会を結ぶ架け橋として、新たな価値を生み出し続けている。 (塩月なつみ)
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