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夏の主役たち2026 バスケットボール男子 天性の感覚で全国へ挑む桃宇航大(柳ケ浦2年) 【大分県】

夏の主役たち2026 バスケットボール男子 天性の感覚で全国へ挑む桃宇航大(柳ケ浦2年) 【大分県】

この夏、大分県から全国へ羽ばたく高校生たちがいる。歓喜も悔しさも力に変え、自分自身の限界に挑み続けてきた選手たちだ。『夏の主役たち2026』は、全国高校総体に臨む県内高校生の挑戦を描く連載企画。


 小さなズレを得点に変える選手だー。昨年に続き、全九州高校体育大会(九州大会)で準優勝した柳ケ浦。1試合100得点を目指す超攻撃型チームの中で、桃宇航大(2年)は異質な輝きを放っている。相手の重心を外し、半歩の間をつくり、ジャンプシュートへ持ち込む。身長173cm、大柄ではない。それでも守る側からすれば、最も捕まえにくい選手の一人だ。

 中村誠監督は、その魅力を「バスケットセンス」と言い切る。「緩急の使い方、自分のタイミングを持っている。相手をずらしてプレーする感覚は天性のものがある」。入学当初から1対1には光るものがあった。ただ、当時は自ら仕掛けるプレーが中心だった。今は違う。行けないと判断すれば、迷わず味方を使う。得点だけでなく、アシストでも試合を動かせる選手へと変わりつつある。

バスケットセンスが光る桃宇

 九州大会準決勝では福岡第一を破った。桃宇は「九州で2番目というところまでは来られた」と手応えを口にする。一方で、決勝では福大大濠(福岡)に敗れた。相手エースとマッチアップし、フィジカルとスピードの差を感じながらも、後半は粘り強く対応した。「特別な選手と思わず、一人の相手として向かっていった」。攻撃の選手という印象が強い桃宇にとって守備で得た自信は大きかった。

 中村監督は以前から、桃宇の感性を守備にも生かせると見ていた。「相手が持ちたい場所、持ちたいタイミングを一つずらす。どこで、どうプレーさせるかを考えながら守れる」。ただ前に立つのではない。相手の選択肢を奪い、苦手な方向へ誘導する。攻撃で見せるひらめきが、守備の駆け引きにもつながっている。

 沖縄出身の桃宇が柳ケ浦を選んだのは、中学時代に遠征で対戦した日の感触があったからだ。「このチームなら勝負できる」。沖縄出身の先輩が多い安心感もあった。それまでは全国的に名の知れた存在ではなかったという。本人も「試合に出られたらいいな」くらいの気持ちだった。だが、留学生と日常的にぶつかり合い、ジャンプシュートを磨き、1年時から全国高校総体を経験したことで視界は一気に広がった。

全国高校総体はベスト8を最低限のノルマとした

 武器はジャンプシュート。相手が大きくても、ズレをつくれば打てる。空中で体勢を変える独創的なプレーは「ほとんど反射」と言う。幼い頃から憧れたNBA選手のカイリー・アービングのダブルクラッチをまね、形だけを繰り返し練習してきた。それが今、桃宇自身のプレーになった。

 全国高校総体の目標は1試合15得点、8アシスト。来年は平均20〜25得点を取り、さらにアシストを増やすつもりでいる。ただ、目の前にある最大の目標は、柳ケ浦初の全国高校総体ベスト8だ。昨年、その壁の前で敗れた悔しさは消えていない。「ベスト8は絶対に達成したい。でも、それで終わりじゃない。全国優勝まで本気で目指している」。半歩のズレを生む感性が柳ケ浦の夏をどこまで押し上げるのか。桃宇の挑戦は、全国の舞台でさらに鮮明になる。 (柚野真也)


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