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マネージャー戦記 明豊高校バスケットボール部 勝利を支えるもう一つの力 43人に届けるエール 【大分県】

マネージャー戦記 明豊高校バスケットボール部 勝利を支えるもう一つの力 43人に届けるエール 【大分県】

 4年連続の全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)出場を目指す明豊。そのコートの外で43人の選手を支えているのが2人のマネージャーだ。3年生の甲斐遥陽(はるひ)は、周囲に目を配り、必要なことを先回りして考えるしっかり者。1年生の笠松白花(あきは)は、選手から愛のあるイジりを受けながら、持ち前の明るさでチームを和ませる。
 仕事は練習のサポートだけではない。練習後、選手が補食として食べるおにぎりを用意するのも日課。ともにバスケットボール経験者でありながら、選手ではなく「支える側」を選んだ2人。マネージャーになった理由、仕事のやりがい、そしてウインターカップ予選への思いを聞いた。

チームに欠かせないマネージャー(右から)甲斐、笠松

――2人ともバスケットボールの経験があります。まず、マネージャーになったきっかけを教えてください。

甲斐 女子バスケ部を見学する機会がありました。その時にみんながすごく楽しそうで、キラキラして見えたんです。自分が選手として一緒にプレーすることはできなくても、「別の形でこのチームに関わりたい」と思いました。
笠松 一つはハル(遥陽)さんへの憧れです。もう一つは、母が明豊の先生なので、2歳ぐらいから女子バスケ部の応援に来ていました。ずっと見てきて「かっこいいな」と思っていました。

――笠松さんは中学時代、陸上部だったそうですね。

笠松 小学生の時はミニバスをしていて、バスケをやりたいと思っていました。でも、中学にバスケ部がなかったので陸上を始めました。高校でまたバスケをしようと思っていたんですけど、ハルさんを見て、憧れちゃって(笑)。それでマネージャーを選びました。

――選手経験があるからこそ、選手の気持ちが分かる部分もありますか。

甲斐 それはあると思います。ただ、明豊の選手たちは自分がやっていたバスケとはレベルが全然違います(笑)。みんな本当にバスケに一生懸命で、思いもそれぞれにある。近くで見ていて「すごいな」「かっこいいな」と思います。
笠松 私は選手に戻りたいとは、あまり思わないです。そんなに上手じゃなかったので(笑)。

――強豪校のマネージャーとなれば仕事も多く、大変ではないですか。

甲斐 思っていた以上に大変でした。でも、それ以上に楽しいことがあります。もともと誰かを支えたり、面倒を見たりすることが好きなんです。マネージャーになると選手だった時とは違う視点でバスケを見ることができますし、違った考え方もできるようになりました。
笠松 「マネージャーだからこそできること」があるので、選手だった時より楽しいです。大変なこともありますけど、それ以上に人として得られるものが多い。すごく貴重な経験をさせてもらっていると思います。

練習のサポートだけでなく仕事は多岐にわたる

――どんな時にマネージャーをやっていて良かったと感じますか。

甲斐 選手が頑張っている姿を近くで見られることですね。それが一番うれしいです。
笠松 体育専攻の選手と私はクラスが違うのですが、休み時間に教室に遊びに来てくれる時ですね。あの時の雰囲気が好きです。あとは練習中に「ありがとう」と言ってもらえた時。そういう時が一番うれしいです。

――甲斐さんが3年間で難しいと感じたことは何でしょう。

甲斐 最初は全部がゼロからだったので、けがをした選手にどう対応すればいいのかも分かりませんでした。それを一つずつ覚えていくのは大変でした。あとは先のことを考えて動くことです。選手がこう動いたら、「次に自分がこれをしておけば、その後がスムーズになる」と考える。最初はそういうことも全く分からなかったので一から覚えていきました。

――3年生になった今は自分の仕事だけでなく、後輩を指導する立場にもなりました。

甲斐 3年生になって初めて先輩たちの苦労が分かりました。自分が少しでも落ち込んでいたら、先輩はすぐに「大丈夫?」と声を掛けてくれたり、「じゃあ次はどうしようか」と一緒に考えてくれたりしたんです。今、自分が後輩に同じことをできているのかなと思うことがあります。「次はもっとこういう声を掛けたいな」と考えるようになりました。先輩たちにしてもらったことを自分も後輩にしてあげたいです。

――笠松さんにとって、甲斐さんはどんな先輩ですか。

笠松 ハルさんは周りをよく見ていて、選手が何を必要としているのかを考えて、すぐに動ける先輩です。私はまだ分からないことも多くて、ハルさんに頼ってばかりですが、近くで見ていると「自分もこうなりたい」と思います。これからは教えてもらうだけではなく、自分にできることを見つけて、選手が必要とする前に動けるようになりたいです。少しでもチームの力になれるマネージャーになることが目標です。

――マネージャーの仕事の一つに、練習後のおにぎり作りがあります。毎日43人分を用意するそうですね。

甲斐 毎日5、6合ぐらい炊いて、練習後に選手が食べる一口サイズのおにぎりを作っています。

――人気の味は?

笠松 チャーハン味のふりかけと塩昆布ですね。

――普通に握るだけではないとか。

笠松 ハートの形にしたり、四角にしたりします。おみくじみたいに「大吉」を入れたりすることもあります(笑)。

――そうした遊び心も、厳しい練習を続ける選手にとってはちょっとした楽しみになりそうです。

甲斐・笠松 そうなってくれたらうれしいです。

――いよいよウインターカップ予選が近づきます。明豊は4年連続の全国大会出場が懸かります。甲斐さんは最後のウインターカップになりますが、どんな大会にしたいですか。

甲斐 4連覇したいです。先輩たちがつないできてくれたものを自分たちも受け継いで、それを次の代にもつないでほしい。自分たちも歴代の先輩たちと肩を並べられるぐらい、かっこいい先輩になりたいです。

――今年のチームを、マネージャーからはどう見ていますか。

甲斐 今はまだ、3年生を中心にチームとしてまとまり切れていない部分があって、それが全体にも出てしまうことがあります。でも予選まで残された時間で一つのチームになりたいです。目標はウインターカップ予選で優勝して、全国ベスト8に入ること。その目標にたどり着けるように私も最後まで支えていきたいです。

――2人がコートに立って得点することはないですが、勝利を支える大切な一員ですね。

甲斐 選手が頑張っている姿を見るのが一番楽しいです。最後までみんなを支えたいです。
笠松 私ももっとできることを増やしたいです。ハルさんみたいに、周りを見て動けるマネージャーになりたいです。

(柚野真也)

大会結果