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バサジィ大分 4連勝の裏にある次への課題 【大分県】

バサジィ大分 4連勝の裏にある次への課題 【大分県】

 バサジィ大分が好調だ。26日のシュライカー大阪戦は猛攻を耐え抜き、2―1で4連勝。開幕3連敗から6試合負けなしとしたが、キャプテンの陣川凌は「反省する点の方が多い」と表情を引き締めた。

 前半6分、キックインに道下楓生が頭で合わせて先制点を奪った。9分にはCKから水谷颯真が押し込み、リードを2点に広げた。今季は得点につながらなかったセットプレーを練習で重点的に磨き、その成果が形になった。金井一哉監督は「日々取り組んでいることが少しずつピッチで出ている。選手が真摯(しんし)に向き合っている結果」と評価する。偶然生まれた2点ではない。試合を動かしたのは目立たない反復練習の積み重ねだった。

 ただ、2点目の直後に失点。後半は大阪の圧力を受け、ボールを前へ運べなくなった。大分は守り切るだけの戦いを選んだわけではない。陣川は「1点差で勝っていても、もう1点を取りにいって試合を決めるのが僕らのコンセプト」と語る。それでも失点やボールロストへの恐れからプレーが慎重になり過ぎ、攻めるしかない大阪との意識の差が押し込まれる展開を生んだ。

守備からリズムをつくる陣川

 金井監督はハーフタイムに高い位置から守備を続けることを確認していた。しかし、相手の一対一の強さと攻守の圧力に押され、徐々にラインを下げざるを得なかった。最前線のポジションであるピヴォにボールを収めて前進する形や、運動量のある選手がサイドの背後を突く狙いも十分には表現できなかった。

 そこで際立ったのがゴレイロ(GK)の使い分けである。前半は中沢航がシュートを防ぎながら、攻撃参加でも持ち味を発揮。後半は守備の安定感に優れる片岡浩太を投入した。金井監督は「試合をぎゅっと締めたかった」と意図を明かす。終盤の相手のパワープレーでは片岡が最後の壁となり、仲間も体を投げ出してゴールを守った。

 攻撃的な中沢と守備を引き締める片岡。タイプの異なる2人の存在は試合展開に応じて戦い方を変えられる大分の武器である。一方で、押し込まれた際にゴレイロを使ってボールを前進させ、相手へ流れを渡さないことは今後の課題として残った。

大阪戦では好セーブで勝利をもたらした片岡

 開幕3連敗からの巻き返しに、劇的な変化があったわけではない。金井監督が就任当初から求めてきたのは「個人のクオリティー」である。一人一人が判断に自信を持ち、プレーの精度を高める。その積み重ねが、セットプレーの得点や粘り強い守備となって表れ始めた。陣川は現在の好調を「勢い」や「勝ち癖」と表現する。「勝っている時は内容が悪くても勝てることがある。みんなが『今日はいけそうだ』というイメージを持てている」。苦しい試合をものにした経験が新たな自信を生んでいる。

 ただし、視線は4連勝という数字には向いていない。金井監督は選手たちに「過去の結果は捨てなさい」と説き、陣川も「次の湘南戦だけを見て準備する」と話した。目指すのは連勝ではなく優勝。そのために勝利を積み重ねながら課題を一つずつ克服していく。4連勝は、その歩みが確かなものになりつつあることを示した。 (柚野真也)