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バサジィ大分 2連敗の向こうに確かな進化あり 【大分県】

バサジィ大分 2連敗の向こうに確かな進化あり 【大分県】

 勝利には届かなかった。だが、バサジィ大分が今季目指す輪郭は確かに見えた。しながわシティを迎えたホーム開幕戦。バサジィは3―5で敗れ、開幕2連敗となった。それでも、序盤に見せた迫力、前線からボールを奪いに行く姿勢、そしてゴールへ向かう意志には、昨季とは違うチームの匂いがあった。

 立ち上がりは理想的だった。前半2分、新加入の水谷颯真が左サイドからシュートを突き刺し、先制点を奪う。直後には仁部屋和弘が2試合連続となるゴール。開始早々に2点をリードし、会場の熱は一気に高まった。キャプテンの陣川凌は「立ち上がりで試合を決めるくらいの気持ちで入った。最高の入りだった」と振り返る。金井一哉監督も「前からプレスをかけ、運動量を上げ、自分たちの強みを出せた」と手応えを口にした。

「勝って喜びを分かち合いたい」と語ったキャプテンの陣川

 ただ、試合は簡単には進まない。4分にこぼれ球を押し込まれると、13分にも失点。2―2で前半を折り返した。後半開始直後には伊集りゅうアンドレのロングシュートで再び勝ち越したが、11分に追い付かれると流れは相手へ傾いた。立て続けに2点を失い、終盤のパワープレーも実らなかった。

 敗因は明確だった。金井監督は「セットプレーやこぼれ球の対応。守備は1回で終わるものではなく、連続して対応し続けることが大事」と語った。陣川も「チャンスを決め切れず、相手は決めてきた。失点後に少し(気持ちが)落ちてしまった」と悔しさをにじませる。試合の入りが良かったからこそ、その後の細部の甘さが痛かった。

 それでも、下を向く内容ではない。今季のバサジィは、攻守にアグレッシブだ。前から圧力をかけ、奪いに行く。受け身にならず、主導権を握ろうとする。陣川は「普通のことをしていても優勝はできない。ディフェンスはボールを奪いに行くコンセプトでやっている」と言い切った。誰か一人が守備のスイッチを入れるのではなく、全員が状況を見て連動する。まだ完成形ではないが、浸透は進んでいる。

今季からチームの指揮をとる金井監督

 攻撃面でも変化はある。金井監督が求めるのは、決められた型に収まることではない。「一人一人が前を向き、ゴールへ向かう勇気を持つこと」。外からの指示だけでなく、ピッチの中で選手が感じ、判断することを重視している。水谷、仁部屋、伊集の3得点は、その方向性を示すものだった。

 もちろん内容だけで満足する段階ではない。陣川は「いい試合をしただけでは意味がない。勝って、皆さんと喜びを分かち合いたい」と言った。ホームの声援は大きな力になった。だからこそ、次に必要なのは結果である。金井監督はこの敗戦を「足りない部分を示してくれた試合」と受け止めた。課題は多い。だが、進むべき道も見えている。前から奪い、前を向き、勇気を持ってゴールへ進む。バサジィの新しい挑戦は、まだ始まったばかりだ。 (柚野真也)