県高校総体 卓球男子 坊主頭に宿る王者の覚悟 明豊が24連覇達成 【大分県】
卓球
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大分県高校総体 卓球
5月31日 べっぷアリーナ
女子団体決勝リーグ
明豊3―1中津南
明豊3―1杵築
明豊3―0別府溝部学園
絶対的なエースはいない。だが、誰かが苦しい時には誰かが支える。そんな「総合力」の強さを証明する優勝だった。
県高校総体の卓球女子団体戦で明豊が13連覇を達成した。決勝リーグでは中津南、杵築、別府溝部学園を下し、今年も頂点を守り抜いた。王者の看板は変わらない。しかし、コートで見せた戦い方は新しかった。エースに頼るのではなく、全員で勝利を引き寄せる。その姿が今年の明豊の真価だった。
昨年のチームには、個人戦でも上位を狙える核となる選手たちがいた。ダブルスも長年組んできたペアで計算できる強みがあった。今年のチームは誰か一人に頼る構成ではない。松本香織監督は「今年は『この選手で1点』というチームではない。みんなで3点を取るチーム」と表現する。
実際、決勝リーグではシングルスで2敗を喫した。だが、そのたびに他の選手が勝利を重ねて穴を埋めた。3―1で中津南、杵築を下し、別府溝部学園には3―0で快勝。まさに総合力でつかんだ13連覇だった。

松本監督は大会前、選手たちの緊張を心配していたという。「もっと苦しい場面があると思っていたし、ガチガチになって力が出せない可能性も考えていた」。だが、選手たちは松本監督の予想を上回った。初日の段階では「力は半分から6割程度しか出せていなかった」と振り返る。それでも勝利を重ねたことが大きかった。
特に流れを引き寄せたのは決勝リーグ初戦のダブルスだった。警戒していた相手ペアを破ったことで相手にダメージを与え、自分たちには自信が生まれた。松本監督は「100%を求めるのではなく、60%、70%でも自分の力を出せる状態をつくろうと話した」と明かす。勝ちたい気持ちが強くなるほど選手は力む。その力みをコントロールするマネジメントもまた、13連覇を支えた大きな要因だった。
チームを精神面から支えたのがキャプテンの佐藤凛桜(3年)だ。「最後の県総体を優勝で終えられて安心した気持ちが大きい」。佐藤の言葉には、重圧から解放された安堵感がにじんでいた。試合中は常に声を出し続けた。「ムードメーカー」と呼ばれる佐藤は、とにかくチームを盛り上げることを意識したという。「競った場面でもみんなで声を掛け合って戦えた。自分たちらしい団体戦ができたと思う」。誰かが孤立することなく、全員で戦う。その姿は松本監督が掲げる「みんなで3点を取るチーム」という理念そのものだった。

今大会でチームを支えたのは3年生たちである。飛び抜けた実績を持つ世代ではなかった。それでも地道に力を積み上げ、最後の県総体に懸ける思いをプレーで表現した。松本監督も「3年生の意地や執念が出ていた。優勝できたのは3年生が頑張ってくれたおかげ」と称賛する。
もっとも13連覇は通過点に過ぎない。県大会に向けては基礎技術や相手を崩すためのテクニックを磨いてきた。しかし九州、全国ではそれだけでは足りない。松本監督は「これからはパワーや攻撃力を高めていかなければならない」と次なる課題を見据える。
佐藤もまた視線を前に向ける。「全国大会ではまだベスト8に入ったことがない。自分たちの代でその壁を越えたい」。県内では王者であり続ける明豊。しかし、選手たちが求めているのは連覇の数字ではない。全国で戦う力を手にすることなのだ。 (柚野真也)
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