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3年生、夏物語2026 バレー女子 松尾侑和(東九州龍谷3年) 高さを武器に最後の2点を取り切る覚悟 【大分県】

3年生、夏物語2026 バレー女子 松尾侑和(東九州龍谷3年) 高さを武器に最後の2点を取り切る覚悟 【大分県】

 全国高校総体(インターハイ)で準優勝した東九州龍谷。決勝では横浜隼人(神奈川)に敗れ、9年ぶりの日本一には届かなかった。松尾侑和(3年)は「やっぱり悔しい。あと2点を取り切れなかった」と振り返る。頂点に手が届きそうだったからこそ、その2点は重い。

 だが、準優勝までの道のりには確かな成長もあった。全国高校総体前の九州大会では思うような結果を残せず、チームはもう一度足元を見つめ直した。取り組んだのは特別なことではない。「一つのプレー、一つの得点に対して、全員がもっと厳しくなった」(松尾)。1点をおろそかにしない。その積み重ねが全国の決勝までつながった。

 178センチのミドルブロッカーである松尾の最大の武器は、もちろん高さだ。ただ、松尾のブロックを「高いから止められる」だけで語ると、その本質を見落とす。松尾が考えているのは自分が相手のスパイクを止めることだけではない。サイドまで素早く寄り、ブロックの間を閉じる。抜けてきたボールは後ろのレシーバーが拾いやすいコースへ導く。「自分で止められれば一番。でも後ろが取りやすいブロックができたらいい」。ネット際の高さを、コート全体の守備につなげる。それが松尾の信条だ。

チームの中軸となった松尾(背番号1)

 攻撃にも成長が見える。前衛が2枚になった場面ではライトから攻撃に入り、得点に絡めるようになった。高さという一つの長所に頼るのではなく、できることを増やしてきた3年間だった。

 東九州龍谷を選んだのは、中学時代の先輩が在籍していたこと、そして何より「強いところでやりたい」と思ったからだ。全国制覇を当たり前のように求められる環境に身を置き、同級生と競い合ってきた。「すごく仲がいい」という3年生は、ただ居心地がいいだけの関係ではない。必要なら厳しい言葉も交わす。「最後に、この仲間と一緒にバレーができて良かったと思いたい」。そのために欲しいのは日本一である。

 松尾自身にも、まだ変えたい部分がある。9月には全国高校選抜女子チームに帯同し、タイへの海外遠征に向かう。事前合宿などで全国トップレベルの選手たちと過ごす中で気付いたのは、技術以前の部分だった。「レベルの高い選手ほどコミュニケーションを取っている」。決して前へ前へと出る性格ではない松尾にとって、それは新たな課題となった。

全国高校選抜女子チームの一員として海外遠征に向かう

 海外の高さと向き合うことも自分を測る絶好の機会になる。日本代表Uー16でも海外勢との対戦経験はあるが、今回は高校生活の集大成を前にした遠征だ。「高さのある相手に自分がどうすれば良さを出せるのかを見つけたい」。全国のトップ選手から学び、海外の選手を相手に自分の力を試す。その経験を東龍に持ち帰り、日本一への力に変えるつもりだ。

 全国高校総体で足りなかった「最後の2点」を松尾は、気持ち、体力、そして苦しい時こそバレーボールを楽しむ力で埋めようとしている。そして、自分自身にもう一つ求めるものが「強気な姿勢」だ。普段の控えめな姿とは少し違う言葉だからこそ印象に残る。高校生活最後の戦いで必要なのは、遠慮ではない。自慢の高さを存分に出し、仲間に声を掛け、勝負どころでは自ら前へ出ること。
 あと2点の悔しさを、次は最後の2点を奪い切る力へ。松尾の「強気」が、東龍を日本一へ押し上げる力になる。 (柚野真也)

大会結果