全国高校サッカー選手権県大会決勝 スタイル貫き、大分が2年ぶりの返り咲きを果たす

2018/11/20
  • 冬の全国大会

 大分が全国高校総体に続き、全国高校選手権(選手権、12月30日開幕)の出場権を手にした。流麗なパスワークで柳ケ浦を翻弄すると、永松恭聖(2年)の先制弾を皮切りに3ゴール。2年ぶり10回目の頂点へ駆け上がった。

 

 全国高校サッカー選手権県大会の決勝が大分銀行ドームで行われた。平成最後の選手権への出場を決めたのは大分だった。小野正和監督は「厳しい試合になることは覚悟していたが、選手が自分たちで考えながらサッカーをしてくれた」とねぎらった。

 

 立ち上がりに堅さがあった柳ケ浦とは対照的に、「僕が何も言わなくても全員気合が入っていたし、試合の入り方が良かった」とキャプテンの山口卓己(3年)。序盤からテンポよくパスを回す“大分らしさ”を発揮した。前半9分、右サイドで数的有利をつくり、パスとドリブルを織り交ぜながら、最後は永松が右足を振り抜き先制した。その後は柳ケ浦のロングボールに対し、後方に守備ブロックをつくり、スペースを消して対処した。前半37分に同点とされたが焦りはなかった。

 

 後半に入り、山口が最終ラインまで降りて攻撃の組み立てに参加し、ボールに触れる回数が増えるとともに、大分の攻撃がペースアップした。1トップの谷川海翔(3年)が前線で起点となり、両サイドの工藤元太(3年)や菊地孔明(2年)が鋭い動き出しで反応する。スピーディーかつ攻撃的なパスサッカーで相手を圧倒し、後半8分には菊地が追加点を奪った。

 

 試合を決定づけた3点目は、これまでオーバラップを繰り返し、数的有利をつくり出した3年生の荻本翔の一撃だった。後半36分、「運動量では誰にも負けない」と自陣の最後尾からペナルティエリア内まで猛然と走り込み、パスを受ける中央にドリブルで切り返し、強烈なシュートでネットを揺らした。「無意識だった。得点場面を覚えていない。体が勝手に反応した」と荻本。

 

 試合終了間際に失点したが、ホイッスルが鳴り響くと歓喜の輪が広がった。「ボールの奪われ方が悪い。全国に出れば致命的になる」と山口は反省したが、スタイルを貫いた末の勝利に手応えを感じていた。

 

2年ぶり10回目の優勝を飾った大分

 

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