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全国高校サッカー選手権大会県予選 3年生にとって最後の大会 高校サッカー最高の舞台に立つのは… 

全国高校サッカー選手権大会県予選 3年生にとって最後の大会 高校サッカー最高の舞台に立つのは… 

 全国高校サッカー選手権大会(選手権)への出場権を懸けた県大会決勝が18日、大分市の大分銀行ドームである。栄冠を手にするのは柳ケ浦か、それとも大分か。決戦が迫るなか、高校最後の大会となる3年生が思いを語った。

 

それぞれの思いを胸に決戦へ

 

 柳ケ浦の“最後のピース”が今大会、大暴れしている。準決勝までの4試合全てで得点を決め、10得点と爆発的な得点力を見せるキム・チョンニョン(3年)。昨年6月に右の中足骨を骨折し1年以上試合に出場できなかったが、高校最後の大会に照準を合わせ、万全の状態で復活した。

 左サイドを定位置としドリブルで仕掛けることができ、逆サイドからのクロスに飛び込み、左右両方の足で強烈なシュートが打てる。「もっと早く復帰できていたが、この大会に最高のコンディションで挑めるように隠していた」と野口健太郎監督。対外試合には極力起用せず、試合のブランクは関東の大学に練習参加させて解消した。「コンディションは3年間で一番いい。これまで学んだことを全て出したい」と今大会へ懸ける強い思いを口にする。

 

 思いの強さは鞭馬龍也(3年)も同じだ。特に選手権に関しては並々ならぬ思いがある。「強豪校でサッカーしたかったわけではない。選手権に行くために柳ケ浦に来た」と語る。キャプテンとなり、新チームとなって最初の大会だった2月の県高校新人大会を制したときも「あくまでも目標は選手権」と笑顔はなく、思いの強さがにじんだ。最後のチャンスとなる今大会は、強力な前線の選手をサポートし、守備の負担を減らすために走り回り、中盤のバランサーとしての役割を果たす。「次で負けたら意味がない。必ず優勝して選手権に出る」。ずっと憧れだった選手権。最大にして最後のチャンスを逃すことなど考えていない。

 

「選手権に行くために柳ケ浦に来た」と話す鞭馬龍也

 

敗者の思いを受け止め、勝ち続ける

 

 高校1年時に選手権のピッチに立った選手は全国でも多くはない。大分山口卓己(3年)は、その希少な1人。今夏の全国高校総体に出場したが、「選手権は別物。一度経験したからこそ、もう一度あの舞台に立ちたいという思いは強い」と満足した様子はない。

 当時から戦術眼に長け、ゲームメーカーとして活躍した。最終学年となりキャプテンを任され、試合をコントロールする力はより高まった。勝負の機微を知る山口は、劣勢になれば最終ラインの前まで下がり、精力的にアップダウンを繰り返す。攻勢になれば、最前線に顔を出し、決定機を演出する。小野正和監督は「彼がいなければ別のチームになる。それだけ存在感のある選手」と絶大な信頼を寄せる。

 

 高校3年間の集大成として挑む県大会も、残り1試合となった。山口は「選手権に出場できるのは1チームだけ。ここにたどり着けなかったチーム、選手の分まで頑張りたい」と話す。

 準決勝が終わった後、敗者となった大分工業のキャプテン矢野達也(3年)から、決勝の舞台に勝ち上がれなかったチームらの思いの詰まった千羽鶴を託された。夢破れた者の思いを知るからこそ、負けられない思いは強い。

 「アイツ(矢野)とは中学の頃から県選抜でプレーしたこともあるし、何度も対戦した。悔しいはずなのに優勝してくれと言われた。勝ち続けるしかない」

 

 3年生にとって、高校最後の大会への士気は高く、それぞれにハイレベルなパフォーマンスを見せてくれるに違いない。

 

敗れたチームの思いを受け取る山口卓己

 

全国高校サッカー選手権大分県大会 過去の記事はこちらから

準決勝レポート

ライバルはこの選手です!①

ライバルはこの選手です!②

ライバルはこの選手です!③

 

(柚野真也)

大会結果