大分高校 仕上がり順調、攻守で隙なし
- 冬の全国大会
全国高校サッカー選手権大会特集(1) 大分高校
高校サッカー最高峰の大会となる第97回全国高校サッカー選手権大会への出場権を争う大分県大会が、10月20日に開幕を迎える。昨年は大分西が悲願の優勝を果たしたが、今年はどのような熱戦が見られるのか。県新人大会で優勝した柳ケ浦が第1シード、県高校総体を制した大分が第2シード、「高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2018 OFAリーグ」(OFAリーグU-18)で首位を走る大分工業が第3シードを獲得するが、混戦は必至。ここではシード校を中心に注目校に迫る。
6月の県高校総体で復活の狼煙(のろし)を上げた大分。決勝では怒涛のゴールラッシュで6得点し、臼杵に付け入る隙を与えなかった。キャプテンであり、中盤を支配するボランチの山口卓己(3年)を中心としたチームは、技術が高く、パス交換で相手を引きつけ、空いたスペースを狙ってゴールを目指す道筋が描けている。6日のOFAリーグU-18では、守備の固い鶴崎工業に対し、テンポよくボールを回し2-0で勝利し、選手権に向けて順調な仕上がりを見せている。
強力な攻撃を支える守備は安定しており、OFAリーグU-18でリーグ最少失点を継続しており、大崩れすることがない。小野正和監督は「ボールの奪われ方が悪ければ失点につながるが、攻撃時にリスク管理をしている」と攻撃一辺倒にならぬようにバランスを求めている。山口は攻撃のタクトを振りながらも、危険の芽をつぶさに摘む。彼が中盤を支配する限り、大崩れすることはないだろう。
けがで夏以降、試合の出場機会が制限されていた工藤元太(3年)の復帰はチームに勢いをもたらす。スピードがあり、相手の最終ラインの裏のスペースを常に狙うストライカーは今大会の得点王候補のひとり。「徐々に試合勘が戻っている。本番までにコンディションも戻し、ワンタッチゴールで得点を量産したい」と活躍を誓った。
「チームの状態は良い。インターハイ(全国高校総体)に出たが、やはり選手権に出ないと意味がない。この大会に出て、活躍するために3年間頑張ってきた」と山口。選手権は高校サッカー部に所属する選手にとって憧れだ。夢舞台への思いは強く、3年生にとって最後の大会でもある。県高校総体に続き、大分の底力を見せてくれそうだ。
山口卓己と工藤元太の3年生ホットラインに注目