
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
リーグ開幕の延期とともに、し烈なレギュラー争いが再び勃発。過去最高の7位を大きく上回る順位を目指すヴェルスパ大分で、今季注目を集める3人を紹介する。いずれもチームに上積みをもたらす実力者たち。彼らはサバイバルが続く中、どのようなアピールをしたのか。一人目は生え抜きアタッカーのM F 利根瑠偉だ。
チーム始動時から動きは良かった。大卒新人としてチームに加わり6年目の利根は「これまでのシーズンの中で最高の状態」と言い切る。例えば、前からプレスを掛けてボールを奪い、素早くゴールを狙うコンセプト練習の中、ボールを奪ってから突進するさまにはこれまでにない力強さがあった。
「個人的にコンディションはいいし、チームの雰囲気もいい。須藤(茂光)監督になってやってきた積み重ねがようやく発揮できている感じがある。今年は攻撃だけでなく、守備のところで細かい約束事やボールを奪うイメージが共有できている。選手同士のコミュニケーションも増え、自分の力をフルに発揮できそう」
表情に自信が漂う。
けがが多く、これまで1年を通してプレーした経験がなかったが、昨年から食事を改善し体調管理に努めた。食品に含まれるタンパク質の一種であるグルテンを除去したグルテンフリー食を取り入れ、「体調が良くなった要因のひとつと思っている。けがが少なくなったし、体がキレている」(利根)。
昨年は主力として試合に出続け、5得点1アシスト。須藤監督が「左サイドのスペシャリスト」と表すアタッカーは、得意のドリブルで左サイドを突破した。チャンスを演出するだけでなく、サイドから中央にカットインしてからのシュートは、練習後の自主練習で培った形だ。須藤監督は「誰かに言われたわけでなく、自分の課題に取り組み、成果を出した」と目を細める。
キレのある動きを見せる利根瑠偉
利根の今季の目標は「得点に絡むプレーでチームを引っ張りたい」。年齢的にも中堅となり自覚も芽生えた。元々、口数の多いタイプではないが、練習の合間に若手に声を掛け、コミュニケーションを図る。自分のプレーに集中するだけではなく、周囲の選手に気遣ってプレーする。ひと皮むけた利根がそこにいた。語る言葉にもチーム愛がこぼれる。「ここ数年、ホームゲームでの勝率が良くない。今年はホームに応援に来てくれた方の喜ぶ回数を増やしたい」
新選手が加わり、どのポジションでもし烈な先発争いが続いているが、攻撃的な左サイドのポジションは利根の指定席となりそうだ。それでも利根に慢心はない。「結果を出し続けなければ試合に出られない。今年はアシストを増やしたい。そのためにはクロスの精度が必要」。昨年同様に足りないものを補う自主練習は、クロスの質を向上させる練習へと切り替わった。「今年は過去最高の成績でシーズンを終わりたい」。ドリブルにシュート、さらにクロスが加われば間違いなく相手にとって脅威となるはずだ。
今季の目標は10得点に絡む結果を残すこと
(柚野真也)
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