トリニータU−18 躍進するアカデミーの現在地
2017/10/10
- 大分トリニータ
人間性の育成がプロ選手輩出につながる
そうしたなかで、鈴井監督は競技力の向上だけではなく、人間性も育む指導を心掛ける。
「すぐにプロになれるような人材ばかりが集ってくるわけではない。やはり謙虚な姿勢を持ち、人間性を含めた選手の育成が大切。そういうものが巡り巡ってプロ選手の輩出につながっていくと思う」
理想はコンスタントにプロ選手を輩出しながら、ジュニアクラス(小学1年〜)の子がトリニータでサッカーを続けて、トップチームに上がれるような選手を10年に1人でも輩出したいようだ。「ミスタートリニータと呼ばれる選手を育てたい」(鈴井監督)。ユース出身で、現在トップチームで活躍する選手は小手川宏基や岸田翔平、後藤優介ら8人。トップチームに昇格する選手のさらなる増加と活躍があればトリニータ熱は高まり、クラブへの愛着はより一層深まるはずだ。
今年から育成支援組織の活動もスタートした。「しらしんけんクラブ」と名付けられたその組織は、広く協賛金を募って育成の活動をサポートしてもらおうというもので、しらしんけんとは、大分の方言で一生懸命という意味だ。「魅力あるアカデミー組織を構築し、アカデミーで育った選手が第2の西川、清武弘嗣のように将来トップチームや日本代表として世界で戦える選手をしらしんけんに輩出することを目標にしたい」という願いが込められている。
育成型のクラブへ、そして日本でオンリーワン、ナンバーワンのクラブへ。もちろん一朝一夕になるものではない。揺ぎないクラブの思想や信念、そして今後のたゆまぬ努力なくして実現はありえない。
世界で戦える選手を輩出することが大きな目標となる
(柚野真也)