トリニータU−18 躍進するアカデミーの現在地

2017/10/10
  • 大分トリニータ

サッカー環境は九州随一

 

 大分トリニータがクラブとして本格的にアカデミーの強化に乗り出したのは2005年と早かった。毎年のようにJ1残留争いを強いられた反省から、クラブは補強に頼らず、下部組織や生え抜きの若い選手で土台を固めていく「育成型のクラブづくり」に力を入れるようになった。若手の育成に定評のあるスタッフを招聘(しょうへい)するとともに、アカデミー選手用の寮を確保。県内外の遠隔地から優秀な選手を集め、育成する環境を整備した。また、育成環境への直接的なアプローチとは言えないが、2005年の西川周作、梅崎司(ともに浦和)から今年の野上拓哉(ヴェルスパ大分に期限付移籍中)まで20人もの選手をトップチームに昇格させたことも、県内だけでなく九州内の育成年代の選手たちの励みとなったはずだ。福岡県から越境し、寮住まいを決めた津村和希(高校3年)は「身近でトップチームの選手の練習を見ることができ、参加もできた。寮で話すこともできるし本当に良い刺激になった」と語っている。

 

 しかしながら、鈴井監督は現状を踏まえれば、まだまだ謙虚な姿勢で取り組んでいかなければならないと気を引き締める。「人工芝の練習場があり、寮からの送迎バスもある。九州では最高レベルのサッカー環境だが、全国には上には上がいる。全体の底上げを含め、少しでもレベルを上げるための試合や練習をやって、選手たちに刺激を与えていきたい」

 確かに、全国レベルのリーグ(プレミアリーグ)には2年しか在籍できずに降格し、今季はトップチームに上がる選手の名が現時点ではリリースはない。U−18を含め、その下のカテゴリーの水準を引き上げていくことは重要だろう。

 

福岡から越境しトリニータU−18に加入した津村

 

  • LINEで送る

関連記事

ページトップへ