大分トリニータ 試される控え選手の覚悟、胸を突いた沈黙の10秒 【大分県】

2025/05/30
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 深いため息の後、沈黙が流れた。たった10秒、されどその空白に、片野坂知宏監督の胸の内が表れていた。大分トリニータは25日、天皇杯全日本選手権1回戦でレベニロッソNC(愛媛)相手に2-0で勝利した。だが、試合後の会見に現れた指揮官の表情は、勝者のそれとは程遠かった。

 

 相手はカテゴリーが二つ下、しかも前半に退場者を出して10人となった。数的優位を得ながらも、後半は無得点。引いて守る相手に手を焼き、攻撃の交代策も奏功せず、もどかしい時間が続いた。「交代の選手を含めて追加点が取れなかった。力になっていない。これが我々の現状だと思った」と、片野坂監督は感情を抑えながら語る。期待を込めて起用した控え組のパフォーマンスはあまりにも物足りなかった。

 

 「(サッカーに臨む)姿勢を変えてほしい。プロとして何をやるべきか。試合に出たらアピールすることが大事だ」。会見では言葉を選びながらも、翌日の練習試合前の青空ミーティングで、全選手を前に率直に語りかけた。「気持ちを出して覚悟を示してほしい。クロスが合わない、シュートが枠に飛ばない。個の質が足りない。だが、アグレッシブさは誰にでも出せる」と訴えた。

 

試合後に胸の内を明かした片野坂知宏監督

 

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