
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
2月初旬にあった全九州高校春季選手権大会県予選(全九春季県予選)を終え、強豪校に加え新興勢力が力をつけ群雄割拠の時代に突入した県内の高校バスケットボール。優勝校、注目校の現状をレポートした「高校バスケそれぞれの現在地」の最終回は、ベスト4の壁に阻まれたが着実に力をつけた大分鶴崎を取り上げる。
全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)県予選、県高校新人大会でベスト8に入り、さらなる飛躍を目指す大分鶴崎女子バスケットボール部。全員が「次こそはベスト4へ」を目標に練習に励んでいる。全九春季県予選では準々決勝までの2試合は危なげなく勝ち上がった。上位4校で争う決勝リーグ進出を懸けた大分商業との試合は、ベスト4の常連校に善戦した。結果は46-89とダブルスコアに近い点差をつけられたものの、ゲーム内容としては決して悪いものばかりではなく、多くの収穫と手応えを得た試合となった。
立ち上がりに流れをつかみたかった大分鶴崎だったが、思うようにシュートが決まらず、大分商業ペースでゲームが進んだ。山本智代子監督は「緊張もあったようだが、大分商業の高さにプレッシャーを感じてしまい、いつもなら入るシュートが決まらなかった」と試合を振り返った。ベスト8からベスト4への壁の高さを改めて実感した試合ではあったが「チームとしても個人としてもできることは増えてきている」(山本監督)と成長を感じられた大会となった。
着実に力をつけている大分鶴崎のメンバー
大分商業戦ではディフェンス力の高さに手を焼き、得点には結びつかなかったものの、シュート本数は決して少なくなかった。シュート決定率の高さは武器であり、相手ディフェンスに翻弄(ほんろう)されることなく落ち着いてシュートを狙えるようになれば、得点はもっと伸ばせるだろう。一方、守備では球際での勝負の際に勢いのあまりファウルをしてしまうことも多く、得点のチャンスを与える場面もあった。ファウルをしないディフェンスの力をつけるためには、今以上の体力づくりも課題となる。
部活動、生徒会活動が盛んな校風ではあるが、文武両道を実践するため日頃の少ない練習時間の中で、ひたむきに練習に励んでいる。飛び抜けてレベルの高い選手がいるわけではないため、全員が主役になる可能性がある。「のびしろはいっぱいある。これからが楽しみ」と山本監督は今後の成長に期待する。一つひとつのプレーを冷静に判断し、チーム全体で“勝ちたい”という熱量がもっと高まれば、その強い気持ちがチーム力となり、もうひとつ上のステージへ上がる可能性も充分にあり得る。
県高校総体ではベスト4入りを目指す
高校バスケそれぞれの現在地
(黒木ゆか)
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