
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
大分が全国高校総体に続き、全国高校選手権(選手権、12月30日開幕)の出場権を手にした。流麗なパスワークで柳ケ浦を翻弄すると、永松恭聖(2年)の先制弾を皮切りに3ゴール。2年ぶり10回目の頂点へ駆け上がった。
全国高校サッカー選手権県大会の決勝が大分銀行ドームで行われた。平成最後の選手権への出場を決めたのは大分だった。小野正和監督は「厳しい試合になることは覚悟していたが、選手が自分たちで考えながらサッカーをしてくれた」とねぎらった。
立ち上がりに堅さがあった柳ケ浦とは対照的に、「僕が何も言わなくても全員気合が入っていたし、試合の入り方が良かった」とキャプテンの山口卓己(3年)。序盤からテンポよくパスを回す“大分らしさ”を発揮した。前半9分、右サイドで数的有利をつくり、パスとドリブルを織り交ぜながら、最後は永松が右足を振り抜き先制した。その後は柳ケ浦のロングボールに対し、後方に守備ブロックをつくり、スペースを消して対処した。前半37分に同点とされたが焦りはなかった。
後半に入り、山口が最終ラインまで降りて攻撃の組み立てに参加し、ボールに触れる回数が増えるとともに、大分の攻撃がペースアップした。1トップの谷川海翔(3年)が前線で起点となり、両サイドの工藤元太(3年)や菊地孔明(2年)が鋭い動き出しで反応する。スピーディーかつ攻撃的なパスサッカーで相手を圧倒し、後半8分には菊地が追加点を奪った。
試合を決定づけた3点目は、これまでオーバラップを繰り返し、数的有利をつくり出した3年生の荻本翔の一撃だった。後半36分、「運動量では誰にも負けない」と自陣の最後尾からペナルティエリア内まで猛然と走り込み、パスを受ける中央にドリブルで切り返し、強烈なシュートでネットを揺らした。「無意識だった。得点場面を覚えていない。体が勝手に反応した」と荻本。
試合終了間際に失点したが、ホイッスルが鳴り響くと歓喜の輪が広がった。「ボールの奪われ方が悪い。全国に出れば致命的になる」と山口は反省したが、スタイルを貫いた末の勝利に手応えを感じていた。
2年ぶり10回目の優勝を飾った大分
山口卓己(3年)
「いい形で得点でき、いい雰囲気で試合ができた。選手権は特別な舞台。個性の強い選手たちだが、しっかりまとめて初戦を突破したい。目標はベスト4」
荻本翔(3年)
「(得点の場面は)体が勝手に反応した。準決勝まで何もできずチームに迷惑をかけて悔しかった。結果が出て良かった。選手権でも自分の武器である運動量で相手を上回りたい」
谷川海翔(3年)
「相手のマークがきつかったが、体をぶつけて自分の間合いでボールを収めることができた。選手権もいい準備をして、初戦を勝つことに集中したい」
工藤元太(3年)
(試合4日前の練習で右足首の靭帯を損傷)「痛みがあり得点に絡むプレーができなかった。選手権までには完全に治したい。毎試合得点を狙いたい」
菊地孔明(2年)
「今日は自分たちのペースで戦えた。ようやく選手権にたどり着けた。テレビで見ていた憧れの舞台。楽しんでプレーしたい」
重見柾斗(2年)
「競り合いで負けず、セカンドボールを拾えたのが勝因。選手権では得点に絡むプレーをしたい」
全国高校サッカー選手権大分県大会 過去の記事はこちらから
(柚野真也)
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