国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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インターハイのあとvol.2 ライバルから仲間となり、深い絆で結ばれた5人 なぎなた団体(大分西)
全国高校総体(インターハイ)出場選手のその後を追った「インターハイのあと」。第2回は、なぎなた団体で準優勝した大分西の仲良し5人組。
惜しくも日本一は逃したが、快進撃を続けたなぎなた団体の大分西。小学生の頃から切磋琢磨し、ライバルからチームメートとなった仲良し5人の3年生は、みんなで戦う高校最後の夏にまばゆいばかりの輝きを放ち、準優勝を手にした。キャプテンの得丸友梨香(3年)は、「仲がいいけど意見の食い違いもいっぱいあった。言いたいことを言えるからギクシャクしたときもあったけど、3年になって悪いところでなく、みんなの良いところしか見えなくなった。絆の勝利」と、感慨深く振り返った。
昨年11月の県新人大会は、ライバルの福徳学院に県No.1の座を明け渡した。徳丸は「他力本願ではなく自分で1本勝ちする強い気持ちが出てきた」とチームの変化を感じた。4月に最終学年となり、これまで以上に5人の勝利への思いは強くなった。1年生の頃から全国大会を経験している名和栞(3年)は「自分たちが最終学年になった時に全国優勝を狙っていた」とエースとしての自覚が芽生え、インターハイでは勝負強さを発揮した。6月の県高校総体から急成長を遂げた中村季成(3年)は、「とにかく一戦一戦に集中した」と名和に続くポイントゲッターとなり、チームに勢いを与えた。
インターハイで準優勝した大分西のメンバー
インターハイで競技生活を終えると大きな覚悟を決めて挑んだ坂口瑞姫(3年)と重藤里奈(3年)は、「10年以上一緒に練習してきた仲間。全国優勝したかったけど悔いはない」(坂口)、「私にとって初めての全国大会は、先鋒から大将までつなぐ試合ができて、最高の試合となった」(重藤)と全ての力を出し切った充実感が漂っていた。
そんな5人に小野博美監督は、「先鋒から大将まで穴のない学年だった。それぞれに個性があり、競い合い、最後の最後に昇り詰めた。誰か一人でも抜けたら勝てなかったと思う」と賛辞を送った。1年生でメンバー入りし、サポートした安部友菜は「県高校総体の頃から絆が見えて格好良かった。伝統を引き継ぎたい」と先輩の活躍する姿を目に焼き付けた。
競技を続ける者、一線を退く者、他の道に進む者————。これまで同じ道を一緒に歩んできた5人が、これからはそれぞれ別の道を歩むことになるが、彼女たちの絆は切れることはない。この夏、最高の仲間と最高の時間を過ごし、ほんの少しだけ悔しさを味わったが、「すべてを出し切った」と彼女たちの言葉は清々しく、一点の曇りもなかった。
笑顔が充実感を物語っている
「インターハイのあと」連載記事はこちらから
Vol.1 ボクシング 安達魁渡(鶴崎工業高)
Vol.2 なぎなた 大分西高
Vol.3 ボクシング 河野泰斗(鶴崎工業高)
Vol.4 陸上 大谷夏稀(大分雄城台高)
Vol.5 陸上 奈須貴子(大分雄城台高)
Vol.6 カヌー 田中智貴(高田高)
Vol.7 フェンシング 御手洗拓真(大分豊府高)
(柚野真也)