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勝ち上がった柳ケ浦と藤蔭 明日決勝

勝ち上がった柳ケ浦と藤蔭 明日決勝

 第100回全国高校野球選手権記念大分大会は23日、別大興産スタジアムで準決勝が行われ、ともに第1シードを破った柳ケ浦と藤蔭が25日の決勝に駒を進めた。大会連覇を狙う明豊と対戦した柳ケ浦は投手陣が踏ん張り、11安打を放ち打ち勝った。藤蔭は乱打戦を制し、粘る佐伯鶴城を下した。15年ぶりの優勝を狙う柳ケ浦と28年ぶりの夏の甲子園を目指す藤蔭が決勝で戦う。

 

7月23日 第1試合 準決勝 別大興産スタジアム

柳ケ浦 000 020 440|10

明 豊 100 001 020|4

 

柳ケ浦 中園-上間

明 豊 大畑-中島-表-寺迫

 

本塁打 大平(明豊)

二塁打 岩崎(柳ケ浦)、野辺(明豊)

 

投手が試合をつくり流れ呼ぶ

 

 柳ケ浦自慢の二枚看板が強打の明豊を6安打、4得点に封じた。定岡智秋監督がこの日の先発マウンドを託したのは中園大樹(3年)。「後のことを考えずに飛ばすだけ飛ばせ」と送り出した。中園は初回から140㌔を超える直球で気迫をみなぎらせ、先制点を与えたが4回無死満塁の追加点のピンチをゼロで抑える。5回に本塁打を打たれたが、「よく踏ん張ってくれた」と指揮官の期待に応え、6回を3安打2失点の力投を見せた。好投した中園の後を継いだ上間永遠(3年)は、勝利を意識し過ぎ、力みがあったが3回を2失点で抑え、最低限の仕事はした。

 

好投した中園大樹 

 

 投手が試合をつくると攻撃は勢いを増す。5回に逆転し、一度は同点に追い付かれたが、7回の2死満塁の場面では準々決勝でサヨナラ安打を放った岩崎晃太郎(2年)が走者一掃の二塁打を放ち、続く宇土雄真(2年)も適時打を放った。8回にも4点を追加しリードを広げた。定岡監督が「ビッグイニングが2度もあるとは思わなかった」と終盤の集中打で勝負を決めた。

 

 昨年の王者相手に思わぬ大差をつけた一因に、定岡監督は「明豊には焦りがあったと思う」と分析する。勝ち上がるごとに期待は高まり、注目を浴びる相手に対し、柳ケ浦とすれば戦う前から優位にあった。「普段通りの野球ができた」と投手は対峙する打者との勝負に集中し、打者は自分で狙い球を絞り打席に立った。自分の役割を果たすことに集中したプレーを貫いた点が光った。

 

 決勝に向けて定岡監督は、「ここまで来たら対戦相手がどうこうではない。全力でプレーができる準備をするだけ」。今度も最高の準備で仕上げてくるだろう。

 

決勝打を放った岩崎晃太郎

 

柳ヶ浦高校 戦力分析の記事はこちらから→https://os-oita.com/special/koushien/552.html

3回戦の記事はこちらから→https://os-oita.com/special/koushien/573.html

激闘の記録(7月23日)

7月23日 第2試合 準決勝 別大興産スタジアム

佐伯鶴城 010 200 031|7

藤 蔭  001 404 00×|9

 

佐伯鶴城 大神-大崎-木許

藤 蔭  市川-本多-小宮

 

三塁打 山口(佐伯鶴城)、橋本(藤蔭)

二塁打 春山(佐伯鶴城)、御手洗(藤蔭)

 

打撃戦で苦戦制す

 

 この日の藤蔭は準々決勝に続き、2桁安打と打線が好調だった。春の県選手権決勝で敗れた佐伯鶴城のエース大神裕貴(3年)を攻略するために、「低めの変化球に手を出すな」と原秀登監督の指示を選手が実践した。

 互いに1点を取り合い、迎えた4回に追加点を奪われ2点リードを許したが、その裏にすぐに反撃する。2死から安打と四球で1、2塁とし、この試合で当たりのなかった1番・橋本和真(3年)が右中間を破る2点適時打で同点に追いつき、続くチャンスで2点を奪い一気に逆転する。6回にも4点を奪いリードを広げた。

 

逆転タイムリーを放った橋本和真

 

 7回を終えて9-3。6年ぶりの決勝が見えたが、「簡単には終わらせてくれなかった」と原監督が振り返ったように、終盤に佐伯鶴城が執念を見せ、追撃を許す。気温30度を越える猛暑と負けたら終わりの緊張感で体力を消耗する選手は、普段の練習ではない足のけいれんや熱中症などアクシデントに見舞われ交代を余儀なくされた。「それでも最後は踏ん張れたのは力がついた証拠」と原監督。8回に3点を奪われ、9回の1死1、2塁の場面では、この日4つ目の併殺打に打ち取りリードを守りきった。

 

 打線に迷いはなく、バットを思い切りよく振れている。「ミスがあっても打ち勝つことができている。全員つなぐ意識が高く、流れをつくれている」とキャプテンの熊懐郁祐(3年)。4番の奥園颯(3年)は準々決勝で5打点、準決勝でも2打点と得点圏で結果を残し、主軸としてチームを引っ張っている。

 

 決勝戦で対戦する柳ケ浦とは、春に練習試合を勝利した。「ただ、あの時は互いにいろんな選手を試していたとき。参考にはならない。柳ケ浦は勢いがあり、うまい選手がいるが、必ず隙はある。今日のように全力を出し切るだけ」と原監督。確かな自信を手にし、大舞台に挑む。

 

準々決勝から連投の市川晃大

 

藤蔭高校 戦力分析の記事はこちらから→https://os-oita.com/special/koushien/546.html

3回戦の記事はこちらから→https://os-oita.com/special/koushien/573.html?p=3

(柚野真也)