夏の甲子園予選特集 二枚看板を中心に、勝者のメンタリティで優勝を狙う柳ケ浦
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100回目を迎える夏の甲子園の大分県予選が7日に始まる。今回は優勝候補に名が挙がるシード4校を紹介する。最終回は県内屈指の投手力を誇る柳ケ浦。
昨年は大エース田中瑛斗(日本ハム)が主役だったが、今年は「二枚看板がやってくれる」と定岡智秋監督は自信を示した。上間永遠(3年)と中園大樹(3年)の両右腕がテンポよく投げ、「守備の時間が短く、攻撃の時間が長くなれば柳ケ浦の必勝パターン」となる。
田中の後を引き継いだ上間がエース番号を担う。秋の県選手権では背番号1にふさわしい投球内容でチームを引っ張り、優勝に導いた。しかし、その後はスランプが続き、「ボールが走らず、ストライクも入らなかった。本人も悩んだと思う」と定岡監督。悩めるエースに冬場は走り込みを命じ、下半身強化を徹底した。最後の大会を控え復調の兆しが見えたのは6月下旬ごろ。練習試合で生命線のストレートが球速140㌔を超えるようになり、しなるような腕の振りが戻った。大事な場面で三振を奪えるようになったのは心強い。
上間が不調の時期に台頭したのが中園。肘の疲労骨折から復帰し、140㌔台の回転の効いたストレートで空振りを奪える安定感のあるピッチングで野手の信頼を得た。「2人がうまくハマれば昨年より計算ができる」(定岡監督)だけに、求められるのは攻撃力と守備力のアップだ。「うちの選手は相手をリスペクトし過ぎる。全員力はあるのだから相手を見下すくらいの気持ちで戦えばいい」と勝者のメンタリティを植え付けている。
6月の練習試合では積極性を持たせるように走者には盗塁のサインを出さず、自分の判断で走らせた。バッテリーには強気にインサイドを狙わせ、少しでも逃げるような配球をすれば試合後に納得がいくまで話し合った。結果にとらわれずにワンプレーに集中することで、逆境にも動じない精神力が付き、2アウトから得点できる場面が増えた。「意識が変わればプレーが変わる」と前向きに考える力を養ったのは確かだ。チームの雰囲気は上々、自信を持って大会に乗り込む。
大会前の練習試合で結果を残し、チームの雰囲気はいい