県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
8強そろい、大会は佳境を迎える
第100回全国高校野球選手権大分大会第12日は19日、3回戦4試合がありベスト8が決定。柳ケ浦や藤蔭などが順当に勝ち進み、戦いはここから佳境を迎える。ここでは3回戦を振り返るとともに、指揮官に準々決勝に向けての展望を聞いた。
第100回全国高校野球選手権記念大分大会
7月19日 第1試合 3回戦 別大興産スタジアム
日出総合 001 200 000|3
柳ケ浦 501 000 01×|7
日出総合 赤峰
柳ケ浦 中園-上間
二塁打 宮本(日出総合)
投打がかみ合い順調にベスト8入り
柳ケ浦 定岡智秋監督
Q:試合を振り返って。
初回の集中打の5点は良かったが、もう少し点が入ってもおかしくなかった。今年はランナーがいるときにヒットが出て得点できているので、試合運びが楽になる。
Q:5回の初めから投手を中園大樹選手(3年)から上間永遠選手(同)に交代しました。プラン通りだったのですか?
もう少し中園でいきたかったが、腕が振れていなかったようだ。ボールにバラつきがあった。5点先制していたので、もっと楽に投げられたと思うのだが、先発起用で緊張したのかな。3回に失点したが気負わなくていい場面だった。ウチは後攻なのだから、同点でもいいとの気持ちで投げればいい。ただ、最少失点で切り抜けたのは良かったと思う。上間は当初の予定では、もう少し後で使いたかったが、彼は力投派ではないので連投は可能。心配はしていない。
Q:上間選手は5回2安打無得点と安定した投球でした。
スライダー、カットボールが良かったし、ストレートも緩急があった。今日は見ていても安心できた。前回(2回戦)より安定感があった。
Q:7安打7得点の打線の評価は?
初回の満塁の場面で岩崎晃太郎(2年)のタイムリーが大きかった。ビッグイニングにつながった一打だった。ただ、その後の攻撃が課題。中押し、だめ押しはできたが、もっと点が入っていれば楽な展開になっていた。クリーンアップに関しては結果を出しているし、問題はいない。状態も悪くないし、集中打が出るようになったのは良い兆候だ。
Q:今年は投打がかみ合い勝ち上がっている印象です。
余力を残すまではいかないが、自分たちの形で2試合を終えた。今年はノーマークのような感じ。昨年よりのびのびプレーできている。飛び抜けた選手はいないが、チームワークの良さを感じている。
Q:次の先発投手の起用は?
上間、中園、どちらが先発でも力を発揮してくれると思っている。中園は自分を追い詰めるタイプなんで、考え過ぎずに投げればいい。今回先発で投げたことで経験となった。これから良くなると思う。
柳ケ浦高校 戦力分析の記事はこちらから→https://os-oita.com/special/koushien/552.html
7月19日 第3試合 3回戦 別大興産スタジアム
藤蔭 110 020 001|5
大分南 000 000 001|1
藤蔭 市川
大分南 鶴橋-安部-梶尾-松尾
本塁打 藤村(大分南)
三塁打 内田、橋本(藤蔭)
二塁打 堀田、市川(藤蔭)
エースがリズムをつくり、打線も援護
藤蔭 原秀登監督
Q:試合を振り返って。
初戦(2回戦)より市川晃大(3年)の投球バランスが良かった。二段モーションで注意されることもあったが、本人は意識して修正していたし、そこで崩れることがなかった。最終回のホームランは四球を出してリズムを崩すよりいい。市川がどうこうではなく相手のバッターが意地を見せたということ。それよりも9回にだめ押し点を奪えたことを褒めてあげたい。
Q:打線は6安打で5得点。バンドやエンドランを絡めた攻撃が機能したのでは?
先制点を取り、追加点を奪え、先にリズムをつかめた。1、2回に点を取れたことが大きかった。全員が初戦よりバットを思い切り振れている。フライになるのが気になるので、低い打球を飛ばすように意識させたい。
Q:初戦から打順を入れ替えた理由は?
1番の武井政晶(3年)、4番の御手洗孝紀(同)はよく打順を入れ替える。今季は相手の投手が右か左かわからなかたので右と左が交互になるように組み替えた。5回のチャンスに御手洗に打順が回り、走者一掃のヒットを打ってくれたし、今日は入れ替えたのが吉と出た。
Q:この試合は市川選手を最後まで投げさせる予定だったのですか?
最後まで下げるつもりはなかった。100球を超えたあたりから疲れていたようだがピッチャーとしての経験が浅いので、これも経験。彼は昨年の夏の大会が終わって、新チームにピッチャーがいなかったのでセンターからピッチャーにコンバートした。肩が強いし、性格も元気がよくピッチャー向き。これからプレッシャーのかかる場面で、どれだけのピッチングができるかがポイントになってくる。
Q:これから試合間隔が狭まる。連投の不安は?
2番手、3番手のピッチャーはいるが全部、市川で行くつもり。それだけ信頼できるエース。彼が行けるところまで行って、そこから継投を考えたい。
藤蔭高校 戦力分析の記事はこちらから→https://os-oita.com/special/koushien/546.html?p=1
7月19日 第4試合 3回戦 別大興産スタジアム
宇佐 010 000 000|1
津久見 030 021 00×|6
宇佐 高築
津久見 藤春-小野
三塁打 繁田、広田(津久見)
二塁打 篠田(津久見)
ノーシードから勝ち上がり、古豪復活への期待高まる
津久見 河室聖司監督
Q:試合を振り返って。
相手のピッチャーがコーナに投げてくる中、全力を尽くして戦うことができた。1、2回戦では連続失点が続いたが、今日は1点で抑えたことに大きな成長を感じた。ビッグイニングをつくらないこと、それがウチの戦い方。
Q:2回途中で先発の藤春隆志選手(3年)を代えた理由は?
藤春はとても期待していたし、それに応えてくれたが制球が乱れ始めたので迷わず交代した。一つのミスが致命傷になるのが夏の大会。後ろには力のある選手が控えているので、ためらうことなく安心して継投ができる。
Q:後続に小野圭輝選手(3年)を選んだ意図は?
何人かいる投手の中で相手との相性を考えて小野がいいと思った。2回戦も投げているが、彼はどんどん投げる方が調子は上がるタイプ。しっかり抑えてくれた。
Q:5回に4番打者も代えた理由は?
山本康旗(3年)の調子が良くなかったこともあるが、単に中沢竜之介(3年)の方が調子が良かったから。本来ライトの繁田将大(3年)をキャッチャーに使ったのも調子が良いから。ウチは最低限の守備基準をクリアし、制球眼があれば、調子のいい選手から先発で起用する。
Q:第4試合となり開始が16時50分でした。待ち時間が長かったのでは?
エアコンの効いたバスで昼食を取らせ、体温を上げないように待ち時間も工夫している。どんな状況になっても、そんなことを気にする選手はいない。
Q:8強で唯一のノーシードから勝ち上がっています。古豪復活への周囲の期待も高いのでは?
全くプレッシャーがないので思い切っていくだけ。次の藤蔭戦はピッチャーが良いので、何とか攻略できるように考えたい。打ち勝つしか活路はないと思っている。
Q:ここまで3試合戦い、選手の疲労は?
練習量だけはどこにも負けない。これぐらいでへばるような連中ではない。冬場は毎日1500回バットを振ってきた。その成果が結果となり自信となっている。チーム内の競争もあり、背番号をもらった1年生2人がいい起爆剤になってチームの雰囲気がすごく良い。
激闘の記録(7月19日)
7月19日 第2試合 3回戦 別大興産スタジアム
情報科学 000 101 101|4
大分豊府 010 001 100|3
情報科学 後藤(将)-坂本(大)
大分豊府 松村-団塚
三塁打 立川(情報科学)
二塁打 立川(情報科学)、成田(大分豊府)
継投でしのぎ、僅差で競り勝つ
情報科学 赤嶺司監督
Q:試合を振り返って。
予想通り投手戦になった。なかなか1本が出ず、1点取っても1点取られ、非常に厳しい試合だった。ただ、生徒たちは日頃の学校生活から成長し、人間性が育てられ、粘り強さ、諦めない気持ちが試合に出た。
Q:なかなか連打が出ません。
2回戦もそうでしたが、いいピッチャーは打てない。それは想定内だし、粘り強く戦って守り抜くしかない。
Q:2年生の投手が奮闘しました。
5回の継投はイメージ通り。先発の後藤将太(2年)をどこで代えるかは最初から考えていた。坂本大翔(2年)を入れ、最後は3年生の石川嵐の投入まで考えていたが、ふたりが粘ってくれた。どちらも打たせて取るタイプ。坂本はコントロールがよく、丁寧にコーナーに投げ分けた。野手はそこそこ守れるので連打を許さなければ失点は抑えられる。そのあたりを理解して投げたと思う。
Q:2安打の坂本選手は、決勝点のきっかけをつくりました。
今日は運を味方にしていた。8、9回で交代も考えたが何か起きそうな感じがあったので、そのまま使った。夏の大会は力の差はないと思っている。勝ちたい思いが勝負を分ける。最終回の3三振も坂本の気力によるものだ。
Q:次はシード校同士の対戦が控えています。
ウチもシードであるが(次の対戦相手の)柳ケ浦は格上。ウチは守備から試合を作りチーム。点を取らないと勝てないが、点を与え過ぎても勝てない。最少失点に抑え、ワンチャンスをものにしたい。相手に合わせて戦うことなんてできないし、自分たちのスタイルを貫くだけ。後藤が頭から投げて、坂本につなぎ、石川が控えている。継投でしのぎたい。