E・STAR BATON TEAM(イースターバトンチーム) 坂本 幸保(大分西1年) file.943
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「第73回全国高校ビジネス計算競技大会・県予選」と「第78回全九州高校ビジネス計算競技大会・県予選」で、珠算・電卓競技の部ともに団体優勝を果たした大分商業珠算部。九州大会では団体4位、全国大会では3位と好成績を残した。その中心で仲間をまとめてきたのが部長の川野莉緒(3年)だ。県予選の団体優勝に貢献し、個人総合競技、応用計算でも優勝。読上暗算、読上算は2等に入り、幅広い種目で力を発揮した。
珠算を始めたのは6歳の頃だった。先にそろばん教室へ通っていた兄の影響と母の勧めがきっかけだ。数字と向き合い、上達していくことが楽しかった。「もっと珠算の道を極めたい」と大分商業へ進学。同校珠算部OBの兄の背中を追うように、競技に打ち込んだ。
大きな転機は1年生の夏だった。九州、全国大会のメンバーに1年生でただ一人選ばれた。前年の九州大会を制したチームには連覇への期待があり、その一員となった川野も重圧を感じていた。結果は準優勝。自分のせいだと思ってしまったと落ち込んだが、声を掛けてくれたのは、誰より悔しいはずの先輩たちだった。「先輩たちが涙を流しながら励ましてくれて、『来年頑張ってほしい』と言ってくれた。その言葉が大きかった」

人前に立つことが苦手で、入学当初は自分が部長になるとは想像もしていなかった。それでも、先輩たちが競技に向き合う姿や後輩を思いやる姿勢を間近で見て、「次は自分が受け継ぎたい」と部長に立候補した。
顧問の桑代智代教諭も成長を実感している。「入部当初は本当におとなしかったが、2年生頃からチームの中心になった。大会で味わった悔しさを練習にぶつけ、自信をつけて精神的にも成長した」。今では安心してチームを任せられる存在となったと目を細める。
高校生活最後の九州大会では個人競技と読上暗算で優秀賞、応用計算で3等。全国大会でも個人総合競技と応用計算競技で優良賞、読上算競技で佳良賞に入り、積み重ねてきた力を結果につなげた。

川野が成長の理由として挙げるのは、仲間との「教え合い」である。「みんなで教え合うことが成長につながっている。できるようになる楽しさが、この部にはある」。さらに、珠算の技術だけでなくあいさつやマナーなど、人として大切なことを学べたことも3年間の財産だという。
「卒業後も先輩方のように、外部講師として後輩たちに教えることができたらと思っている」。1年生の夏、涙とともに先輩から託された思い。それを部長として仲間につなぎ、今度は後輩へ渡そうとしている。川野の珠算部での3年間は、数字や順位だけでは測れない成長を残した。 (塩月なつみ)
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