大分トリニータ マテウス・レイリア 熱意で動いた背番号10 【大分県】
サッカー
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全国高校サッカー選手権大会への切符は、ただ一枚。10月17日の県予選となる大分県大会開幕を前に、シード8校を紹介する。最終回は今大会のシード権をつかんだ大分南。指揮官不在の夏を乗り越え、チームを再編した。
県高校総体でベスト8に入り、全国高校サッカー選手権県予選ではシード権をつかんだ大分南。県高校総体後、友成義朗監督が骨折で入院。6、7月の約2カ月間、チームを離れることになった。指揮官不在の夏。それでも選手たちは歩みを止めず、自分たちで考えながら選手権への準備を進めてきた。
本来なら県高校総体後はフィジカルとスタミナを徹底的に鍛えるはずだった。だが、予定していた県外遠征がなくなるなど、思い描いた強化はできなかった。「体力が落ちれば集中力も続かない。後半になるとボールが収まらなかったり、パスがずれたりする」と友成監督。技術以前に、1試合を戦い抜く土台に課題を残している。
チーム編成も変わった。県高校総体では3年生を中心に戦ったが、その後、センターフォワード、右サイドバック、中盤の3人が抜けた。1、2年生を抜てきしながら穴を埋め、さらに守備の中心だった後藤凪海(3年)をセンターバックからボランチへ配置転換した。

狙いは明確だ。ボールを奪うところまではできても、その先の攻撃につながらない。その課題を解消するためである。後藤は体の強さと足元の技術を備え、簡単にはボールを失わない。周囲を見ながらパスをさばき、強烈なシュートも持つ。「どこで攻撃の起点をつくるか」を考えた末、守備のキーマンをあえて一列前へ送り出した。
最後尾には頼れるキャプテンがいる。GK矢野廉士(3年)だ。セービングだけでなく、後方から絶えず声を飛ばし、チーム全体を動かす。「マイナスのことを一切言わない。何があっても、いい方向にチームを持っていく」と友成監督は全幅の信頼を寄せる。苦しい時間帯ほど響く矢野の声は、大分南を支えるもう一つの武器となる。
攻撃では右サイドの阿部将大(同)のスピードが突破口になる。「スピードだけなら、なかなか止められない」と友成監督。前線では竹上蹴王(同)もスペースへの鋭い飛び出しでゴールへ迫る。左足からセットプレーを供給する佐藤悠樹(同)も得点機を生み出す存在だ。

大分南が目指すのは、守備を固めて1点を守り抜くサッカーではない。前から相手に圧力をかけ、高い位置でボールを奪い、できるだけ早くシュートまで持ち込む。ツートップを起点に逆サイドへ展開し、阿部のスピードを生かす形も磨く。
友成監督は「無失点で勝ち続けられるチームではない。1点取られるなら、2点取って2―1で勝てばいい」と言い切る。その言葉には、自分たちの弱点まで受け入れた潔さがある。完成されたチームではない。体力にも技術にも波があり、若い選手には経験も必要だ。だからこそ、残されたOFAリーグ戦で勝利を重ね、自信を積み上げる。「“自分たちはやれる”という感覚を持って大会に入りたい」と友成監督。指揮官不在の夏を乗り越え、県高校総体8強から迎える最後の大舞台。足りないものを嘆くのではなく、今ある武器を研ぎ澄ます。大分南は2―1で勝ち切るような、たくましいチームを目指して県予選に挑む。 (柚野真也)
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