ウインターカップへの道 注目校を徹底紹介 男子(4)別府溝部学園 3年越しの壁を越える 【大分県】
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冬の大舞台への切符を懸けた戦いが、いよいよ本格化する。バスケットボールのウインターカップ県予選は10月24日から、男女ともシード校が登場し、頂点を巡る争いはここから一気に熱を帯びる。全国への一枚を争う男女8校の現在地と、この冬への思いに迫る。女子の最終回は明豊、大分の2強を追い続けてきた藤蔭。就任3年目の平川あいか監督のバスケットが浸透し、チームは確かな成長を遂げている。
大分県「3位」は安定の証しであると同時に、藤蔭にとって越えなければならない壁でもある。県内では明豊、大分の2強が先頭を走り、その背中を追い続けてきた。上位に食い込む力はありながら、あと一歩が届かない。そんな藤蔭がウインターカップ県予選で2強の構図を崩そうとしている。
変化の中心にいるのが就任3年目の平川あいか監督だ。大学卒業後、すぐに母校へ戻ったOG監督。赴任と同時に入学した現在の3年生とは、指導者としての歩みを始めたときから同じ時間を過ごしてきた。互いに経験を積み、失敗を重ねながら築いた信頼関係は深い。
平川監督が植え付けてきたのは足を使って守り、走って得点するスタイルだ。県高校総体後、特に時間を割いたのがチームディフェンスだった。1対1で守るだけではなく、抜かれたときに誰が助けるのか。そこからどうボールを奪い、攻撃へ転じるのか。オールコートのマンツーマンディフェンスを軸に、全員が連動する守備を磨いてきた。

「本当は『20対0』くらいでクオーターを終わらせたい。守って、守って、そこから走って点を取る」。極端な数字だからこそ、目指す姿がよく分かる。守備は失点を防ぐためだけのものではない。相手の隙を突いてボールを奪い、そのまま速攻へつなげる。ディフェンスそのものを得点源にするのがチームの理想だ。
特別な走り込みを課しているわけではない。約3時間の練習で一つ一つのメニューの強度を上げ、攻撃でもパス・アンド・ランを徹底する。体の線の細さを補うため、コンタクトから逃げず、40分間戦い続けることも求めてきた。夏休みには格上チームとの実戦も経験した。思うようにプレーできない時間が続いても、自分たちのスタイルを手放さない。「できる、できないではなく、やろうとしていることを徹底して動き続ける」。その積み重ねによって、平川監督は「選手は1年前と比べれば本当に成長している」と手応えを感じている。

コート上の軸はポイントガードでキャプテンの升田陽花(3年)。感情を大きく表に出さず、試合の流れに左右されず淡々とプレーできる司令塔だ。シューターの藤原レイラ(同)は升田との連係が良く、シュート成功率も高い。そして新たな得点源として期待されるのが1年生の平田愛結である。170cmのサイズがありながらドリブルもでき、国スポ県代表も経験したオールラウンダーだ。3年生の経験に下級生のエネルギーが加わった。あとは、それぞれの力を一つの流れにできるかだ。
「かみ合えば面白いと思う」。平川監督の言葉には3年間をともに歩んできたチームへの期待がにじむ。目指すのは2強に食らいつくことではない。守って、走って、自分たちで判断し、試合の流れを奪い取る。長く続いた「3位」という現在地を抜け出すための準備は進んでいる。若き指揮官とともに積み重ねた3年間。その答えを示す舞台がウインターカップ県予選だ。 (柚野真也)
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