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県高校総体前特集 バレーボール女子(4)臼杵 混ざり合う世代の力 【大分県】

県高校総体前特集 バレーボール女子(4)臼杵 混ざり合う世代の力 【大分県】

 県高校総体の試合が間近に迫っている。前哨戦の全九州バレーボール総合選手権(九州総合)県予選は東九州龍谷が制し、その強さは依然として盤石だ。だが、大分商業が充実の戦力で王座奪取に挑む。さらに国東、臼杵も上位進出を狙い、勢力図に揺らぎをもたらすか。頂点を巡る戦いは、すでに始まっている。

 全九州バレーボール総合選手権県予選で4位となり、本戦出場を逃した臼杵。それでも、佐藤優介監督の表情に悲観はなかった。むしろ、その視線はすでに次の県高校総体、そしてさらに先へ向いている。就任2年目。ようやくチームに自らの思想と色が浸透し始めている実感があるからだ。

 今季の臼杵は、思い切った世代融合を進めている。県予選では背番号9番から18番までを1年生が占めた。現時点のベスト布陣も「3年生3人と1年生3人」がベース。リベロを含めれば、コートに4人の1年生が立つ形も見えている。

1年生の多くがメンバー入りする臼杵

 若さを恐れず、むしろ武器として使う。その背景には明確な意図がある。「今使える選手は積極的に使いたい」。佐藤監督はそう言い切った。県総体まで残された時間は少なく、完成形にはまだ遠いが、試行錯誤の中にこそ、チームの伸びしろがある。

 課題もはっきりしている。2月の九州新人大会。特に1セット目の戦い方は、今も3年生たちの胸に深く残る。相手の情報が少ない中、自分たちの形を作れずに流れを失った。だからこそ今、チームが重視しているのは「試合の入り」である。どんな相手にも、自分たちのリズムをぶつけられるか。立ち上がりから主導権を握れるか。そのテーマは、県総体に向けた大きなポイントとなる。

 チームの中心は、キャプテンの児玉紗弥(3年)だ。精神的支柱であり、絶対的な軸。練習試合でも、ほとんどコートから外れることはない。昨年はチーム事情でセッターとしてプレーしていたが、今季は本来のスパイカーに戻った。もともと体幹が強く、身体能力も高い。佐藤監督は「かなり強いスパイクを打てるようになってきた」と成長を口にする。攻守両面でチームを支える存在であり、その背中が後輩たちを引っ張っている。

精神的支柱となる児玉

 そして、もう一人のキーマンが1年生の矢野夏希である。左利きのスパイカー。九州総合県予選でも存在感を放った。今年の県高校女子バレーボール界は、東九州龍谷をはじめ、各強豪校に実力あるレフティーがそろう「左利き豊作年」でもある。その中で矢野はまだ経験こそ少ないが、得点感覚には非凡なものがある。強打か、フェイントか。相手ブロックをどう外すか。1年生ながら相手コートを冷静に観察し、駆け引きの中で点を取る術を知っている。佐藤監督も「点の取り方を分かっている選手」と評価する。

 昨年との違いについて問われると、佐藤監督は「随分と私のチームらしくなってきた」と語った。就任1年目は時間が足りなかった。だが今は日々伝えている言葉や考え方が、少しずつ選手たちに届き始めている感覚があるという。その象徴が、「自立」である。監督の指示を待つのではなく、コートの中で選手同士が考え、修正し、解決する。相手の変化を感じ取り、自分たちで対応する。佐藤監督が目指すのは、そんな監督いらずのチームだ。

 九州総合県予選の結果だけを追えば、4位という数字は物足りないかもしれない。しかし、臼杵は今、確かに変わり始めている。3年生の経験と1年生の感性。その融合が進んだ先に県高校総体での飛躍が待っている。


(柚野真也)

大会結果