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インターハイのあとvol.6 猪突猛進、目標に向かって真っすぐ突き進む 田中智貴(高田高校3年)

インターハイのあとvol.6 猪突猛進、目標に向かって真っすぐ突き進む 田中智貴(高田高校3年)

 全国高校総体(インターハイ)出場選手のその後を追った「インターハイのあと」。第6回は、カヌーカナディアン競技で今夏、数々のタイトルを手にした田中智貴(高田3年)を取材した。

 

 高校生活最後の夏で最高の結果を残した。カヌー競技の田中は、全国高校総体(インターハイ)男子カナディアン500mペア、フォアで優勝、同200mペア、フォアで準優勝した。日本カヌースプリントジュニア選手権の男子カナディアン500mシングル準優勝、ペア3位、フォア優勝、同200mではシングル、ペア、フォアの全3種目を制覇した。「毎日の練習の成果が結果として残せたことは良かった」と笑顔を見せたが、既にこの先の国体、そして大学での競技生活に目を向けている。

 

 高校入学を機にカヌー競技をはじめた田中は、中学まで水泳をしていたことから“水をつかむ感覚”は長けていたが、それだけではない。隆々たる筋肉が雄弁に語る。こぐパドルは力強く、最近は柔軟性が増して肩の可動域が広がったことで、ストロークが大きくなりダイナミックになった。高木宏通監督は「高校年代では筋力は並外れている。体幹もしっかりしていて、どんなにきつくても水をつかみ、逃がさない」と評す。レース後半になってもフォームを崩すことなくパドルをこぐ。後方からの追い上げが田中のスタイルだ。これまで数々の“劇的な追い上げ”は、終盤の勝負所で諦めることなく力強くパドルを動かした成果といえる。

 

数々のタイトルを手にした田中智貴

 

 

 今夏、数々のタイトルを獲った田中だが、過去の栄光にこだわることはない。「次々に大会があるので目の前のレースに集中するだけ」と気持ちは10月の国体に向かっている。「ここまで結果を出せたのは自分一人の力ではない。練習環境はいいし、刺激をくれる後輩がいて、熱心に指導してくれる先生がいる」と感謝の言葉を忘れない。おごることなく努力できる才能こそが田中の武器である。

 

 猪突猛進。この言葉が田中を表している。「負けず嫌いで自分が納得するまで練習する。決して自己中心的ではなく、素直に指導者の言葉を聞き入れ、素直に信じて全力で取り組む」(高木監督)。疑うことなく好きなものに打ち込む人に宿る瞳の強さがある。カヌーに対する純真こそが、彼を頂点を目指す戦いへと駆り立てる。「大学で力をつけて、オリンピックを目指したい」。大きな目標があるからこそ、高校での結果に一喜一憂することはないのだろう。

オリンピック選手になることが最終目標

 

「インターハイのあと」連載記事はこちらから

Vol.1 ボクシング 安達魁渡(鶴崎工業高)

Vol.2 なぎなた 大分西高

Vol.3 ボクシング 河野泰斗(鶴崎工業高)

Vol.4 陸上 大谷夏稀(大分雄城台高)

Vol.5 陸上 奈須貴子(大分雄城台高)

Vol.6 カヌー 田中智貴(高田高)

Vol.7 フェンシング 御手洗拓真(大分豊府高)

 

(柚野真也)