県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
県高校野球選手権 明豊が15度目の頂点に 【大分県】
大分県高校野球選手権
9月2日 別大興産スタジアム
決勝
別府翔青 000 000 022|4
明 豊 010 203 02 ×|8
新チームとなって初めての公式戦「県高校野球選手権」は、明豊の15度目の優勝で幕を閉じた。別府翔青との決勝は、2回にスクイズで1点を先制すると、その後も中押し、ダメ押しとリードを広げ、8-4で快勝した。
今夏の甲子園に出場したチームにメンバー入りした2年生3人が核となり、新チームがスタートした。他の高校より始動が遅かった分、実戦的な練習量の少なさは否めなかった。川崎絢平監督は「ノックやフリーバッティングでは対応できないミスが出た」と振り返る。犠打や犠飛、盗塁を絡めて得点を積み上げるスタイルは健在だったが、明豊には珍しくサインの見落としや、アウトカウントを間違うなどのミスがあった。
5回までノーヒットピッチングの寺本悠真(2年)の好投もあり、終始リードした試合展開だった。しかし、キャプテンの加来航志郎(同)は、「勝てたことは良かった。それ以外は課題の多い試合になった」と反省しきり。寺本も「終盤に打たれて完投できなかったのは自分の力不足」と笑みはなかった。
好投した寺本悠真
川崎監督は「課題がたくさん出た。今のままではダメだと選手が思えたことが収穫」と話す。甲子園出場がゴールではなく、全国舞台で勝つことを目標としており、監督も選手も求めるものが高い。新チームになって1カ月もたたない中、今大会は試合をする度に成長した。「今の時期は真っ白な状態なので吸収のスピードが早い。ミスが出た現象を明確にして、理解できるようになればいい。課題を一つ一つ解消すれば、それが実力になる」と川崎監督。トライアンドエラーを繰り返し、チームの成長につなげようとしている。
当面の目標は、今月14日に始まる九州地区大会県予選で上位2チームに与えられるセンバツ出場権を獲得すること。加来は「負ければ春のセンバツの道が断たれる。日頃の練習から、勝てるチームになるためにできることは全てやるだけ」と語る。2年連続センバツ出場には相当な覚悟と準備がいることを先輩の背中を見てきて知っている。県選手権の優勝は通過点に過ぎない。
15度目の優勝を飾った明豊
(柚野真也)