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国スポ九州ブロック サッカー少年女子 個性を束ねて九州決戦 狭き2枠をつかみ取れ 【大分県】

国スポ九州ブロック サッカー少年女子 個性を束ねて九州決戦 狭き2枠をつかみ取れ 【大分県】

 国民スポーツ大会(国スポ)の出場権を懸けた九州ブロック大会が21日、鹿児島県で始まる。サッカー少年女子の県代表は、全国高校総体3位の柳ケ浦から11人、稲葉学園から4人を中心に16歳以下の選手で構成される。目指すのは、九州にわずか二つしかない国スポへの切符である。

 チームはこれまで関西、中国地方への強化遠征を重ねてきた。ただ、選手を集めればすぐに一つのチームになるわけではない。普段から同じサッカーをしている柳ケ浦勢が多い一方、稲葉学園の選手とは攻守の考え方やプレーの選択が異なる。その違いを消すのではなく、互いの特徴を理解し、どう組み合わせるか。短期間で完成度を高めなければならない県選抜ならではの難しさがある。

 それでも距離は確実に縮まっている。柳ケ浦のFW上本恭子(1年)は「最初の頃に比べるとコミュニケーションの量が増えた」と話す。稲葉学園のMF佐藤菜沙(同)も「柳ケ浦の選手も稲葉学園の選手も距離が近くて、すごくやりやすい」と口にする。遠征や練習を重ねる中で学校の垣根は少しずつ低くなってきた。

エースとして活躍が期待される上本

 攻撃の軸として期待されるのが上本だ。全国高校総体では1年生ながら出場機会をつかみ、準決勝で2得点。得意とするのは左サイドから中央へ切れ込み、シュートまで持ち込む形である。「(全国高校総体では)結果を残せていなかったので、2点を取れたことは良かった」。全国の舞台で得点という結果を残した経験は国スポ予選でも大きな武器になる。

 ただ、上本が考えるストライカーの仕事はゴールだけではない。「前線からしっかり守備をして後ろの選手が安心できるようにしたい。いい守備をいい攻撃につなげたい」。最前線からスイッチを入れ、チーム全体を前へ押し出す。得点力と献身性の両方で勝利を引き寄せようとしている。

 サイドから推進力を加えるのが佐藤だ。武器はスピード。「相手の背後へ抜け出すプレー」を得意とし、縦への勢いで攻撃に変化をつける。県代表もサイド攻撃やロングボールから背後を狙う形を特徴としており、佐藤の持ち味が生きる場面は多い。「自分の強みを生かして得点に絡んでチームを勝利に導きたい」。迷いなく前へ走る姿勢が膠着(こうちゃく)した試合を動かす可能性を秘める。

2校の混合チームとして国スポ出場を目指す県代表

 課題は苦しい時間帯に誰がチームを動かすかだ。上本は「まだチームを引っ張るリーダーのような存在がいなくて、他人任せになっているところが多い」と率直に語る。技術や個人能力だけでは突破できないのが九州の戦いである。暑さの中で足が止まり、思うように攻撃できない時間は必ず訪れる。そこで声を掛け、走り、互いを助けられるか。

 佐藤は予選突破の条件を「苦しい時でも、みんなで力を合わせて勝ち切ること。最後まで諦めないこと」と表現する。上本も「1人だけに負担をかけるのではなく、みんなで守備も攻撃もやっていきたい」と話す。2人の言葉に共通するのは「みんな」という意識だ。

 柳ケ浦の組織力、稲葉学園勢の個性、そして同世代だからこその勢い。それぞれの武器を一つにできた時、県代表はさらに強くなる。狭き2枠を懸けた九州決戦。学校の枠を越え、大分のユニホームで国スポへの扉をこじ開けにいく。 (柚野真也)


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