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大分トリニータ 木本真翔 出世番号17に宿る覚悟。狙う開幕ゴールと飛躍のシーズン 【大分県】

大分トリニータ 木本真翔 出世番号17に宿る覚悟。狙う開幕ゴールと飛躍のシーズン 【大分県】

 練習場でひときわ目を引くのは金髪だけではない。肩幅は広がり、胸板は厚くなった。遠目からでも分かるほど体つきが変わった木本真翔は、「ちょっとゴツくなった」と照れ笑いを浮かべる。オフはひたすら筋力強化に励み、特に肩周りには大きな変化が表れた。「体が強くなったことでボールを収める部分は前より手応えがある」。その言葉には確かな実感がにじんでいた。

 大分トリニータが今季掲げるのは、ぶつかり、競り勝ち、押し込み、最後まで走り切るサッカー。技術だけでは勝ち切れない戦いを見据え、クラブは身体能力の向上を重視してきた。その方向性を象徴する存在の一人が木本である。特別指定選手として過ごした2年間を経てプロ契約を勝ち取り、百年構想リーグでは11試合1得点2アシスト。持ち味である力強いドリブルと積極的なシュートで存在感を示した若きアタッカーは、このオフでプレーの土台そのものを鍛え直した。

 今季、新たに背負うのは17番だ。東京ヴェルディへ移籍したキム・ヒョンウが身につけていた番号であり、これまで井上健太、高畑奎汰、羽田健人らJ1へ羽ばたいた選手たちも背負った“出世番号”として知られる。

今季から背番号17になった木本

 「ヒョンくんには特別指定の頃から本当にお世話になった。ヒョンくんみたいに自分ももっと上の舞台へ行きたい。もちろんチームとして昇格を目指す。その覚悟を持って17番を選んだ」。単なる憧れではない。いつか自分もこの番号を背負って次のステージへ進む。その決意が17番には込められている。

 もっとも、木本が追い求めるのはゴールだけではない。四方田修平監督から繰り返し求められてきたのは、攻守の切り替えだ。「大学の頃から守備の部分はずっと言われていた。ボールを失った後の切り替えは今も一番意識している」。攻撃的な選手ほど守備をおろそかにしがちだが、木本はその課題と正面から向き合ってきた。その積み重ねがあるからこそ、今季は攻撃でも自由度が増した。守備時は1トップ、攻撃時には2トップ気味へと変化する新たなシステムの中で、前線を流動的に動きながら相手を揺さぶる役割を担う。

 「(百年構想リーグの時より)自由に動けるし、自分の良さは出しやすいと思う」。武器であるドリブルにも磨きをかける。「相手が警戒してくると思うので、フェイントやシュートへ行くタイミングを変えながら、いろいろな選択肢を持って得点につなげたい」。ただ仕掛けるだけではない。駆け引きを覚え始めたこともプロとしての成長の証しである。

開幕ゴールは自分が決めると言い切った

 開幕が迫る今、木本の表情には確かな自信がある。「キャンプから体も動いているし、練習試合でも点が取れている。シュートの感覚もいいので、この勢いのまま入りたい」。掲げる目標は2桁得点。そして開幕戦でのチーム初ゴールだ。「出場できたら絶対に決めたい。有馬(幸太郎)くんより先に決めたいですね(笑)」。冗談交じりの言葉にも負けず嫌いな一面がのぞく。古川大悟ら実力者も加わり、前線の定位置争いは激しさを増した。それでも「チーム得点王も狙いたい」と言い切る姿に迷いはない。

 最後に理想のゴールシーンを尋ねると、迷わず答えた。「ボレー。思い切り振り抜いて、ゴールへ突き刺したい。その自信はある」。開幕前には金髪を残すか、落ち着いた色へ変えるかを決めるという。新しい髪色でピッチに立つのか、それとも見慣れた金髪のままなのか。その答えはまだ本人も決めかねている。ただ、一つだけ変わらないものがある。17番に託した覚悟とゴールへの飽くなき執念だ。出世番号を受け継いだ若きアタッカーは、開幕戦の主役になる準備を終えている。 (柚野真也)


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