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九州大会 サッカー女子 柳ケ浦が九州制す 次は夏王者に 【大分県】

九州大会 サッカー女子 柳ケ浦が九州制す 次は夏王者に 【大分県】

全九州高校体育大会 サッカー
6月21日 福岡市ベスト電器スタジアム
女子決勝
柳ケ浦0(PK4―2)0神村学園(鹿児島)

 全九州高校体育大会のサッカー女子決勝。昨冬の全日本高校女子選手権決勝と同じ顔合わせとなった神村学園との一戦は、延長戦を終えても0―0のまま決着がつかなかった。最後はPK戦。柳ケ浦は4―2で制し、2年ぶりの全国高校総体出場を九州王者として決めた。

 大会を振り返ると初戦の宮崎学園戦は1―0。準決勝の東海大学付属福岡戦は延長にもつれ込み、2―1で競り勝った。決勝も含め、どの試合も紙一重の勝負だった。それでも最後に勝ち切るあたりに、昨冬の日本一で培った勝負強さがにじむ。

 林和志監督は「選手の『全国に行きたい』という気持ちが結果に現れた」と振り返る。ただ、初戦は入りが甘く、ハーフタイムに喝を入れたという。日本一になったことで、相手は迷いなく向かってくる。「追われる立場は想像以上に大変だった」。その言葉には、王者となったチームだけが知る難しさがある。

チーム強化に余念のない林監督

 昨冬の優勝メンバーは多く残った。周囲は「今年も狙える」と見る。しかし、チームづくりは簡単ではなかった。昨年は3年生2人が支え役となり、下級生を伸び伸びとプレーさせた。その存在があったからこその日本一だった。新チームでは、残った現3年生が今度は支える側に回らなければならない。2月の九州新人大会で神村学園に敗れた背景には、その役割の移行が十分ではなかったこともあった。

 それでもチームは変わってきた。3月のサニックス杯では全国の強豪校やクラブチームを相手に全試合無失点。4月には高い得点能力を持つ1年生の上本恭子が加わり、攻守のバランスはさらに高まった。年代別日本代表経験者が3人並ぶ最終ラインは、全国でも屈指の安定感を誇る。

 林監督は言う。「守備の強度だけは日本で負けたくない」。失点しなければ負けない。その揺るぎない土台があるからこそ、攻撃にも時間を割ける。前線にはボールを収められる選手、背後の空いたスペースに抜け出せる選手がそろい、セットプレーも武器になりつつある。そして、柳ケ浦の真骨頂が「カメレオンサッカー」である。相手によって戦い方を変え、前から圧力をかけることもあれば、ブロックを敷いて耐えることもある。情報を集め、相手を分析し、最適な戦い方を選ぶ。ただし、すべてを型にはめるわけではない。林監督は「3割の余白」を残す。ベンチから見えない距離感や空気は、ピッチ上の選手が判断するしかないからだ。

冬夏連覇に向けてチーム内競争は高まる

 言われたことをこなすだけでは、全国では勝ち切れない。状況が変われば、自分たちで判断し、戦い方を変える。その柔軟性こそが、カメレオンサッカーの核心である。九州を制しても、林監督は「まだ本当の力ではない」と言い切る。冬の日本一は過去の実績であり、夏の頂点を保証するものではない。だからこそ、柳ケ浦は守備の強度をさらに磨き、できることを増やし、その精度を高めて全国へ向かう。

 追われる王者として挑む全国高校総体。目指すのは冬夏連覇。自在に姿を変える柳ケ浦のサッカーが、夏の舞台でどこまで進化するのか。九州王者の戦いは、ここからが本番だ。 (柚野真也)


大会結果