大分トリニータ 野嶽惇也 「土台を築け」知性派選手が最後に残したメッセージ 【大分県】
サッカー
NEW!
初めて袖を通す日の丸のユニフォーム。その舞台を前にしても大下紗也奈(柳ケ浦2年)は自然体だった。「びっくりした。本当に驚いた」。U―17女子日本代表に初選出された大下は、飾らない言葉で喜びを語った。30日から千葉で始まる代表合宿に参加し、7月3、6日にはU―17女子米国代表との国際親善試合に挑む。
年末年始の全日本高校女子選手権で柳ケ浦を初の日本一へ導いた守備陣の中心。169センチの長身を生かした広い守備範囲と冷静な判断力を武器に、1年生ながら優秀選手にも選ばれた。その活躍が評価され、高校サッカー出身選手として日本代表の切符をつかんだ。

「クラブチームとは少し違うサッカーをしていると思う。その中でも高体連の良さをいい意味で出せたらと思っている」。ここ数年、柳ケ浦からは年代別日本代表選手が続いている。「身近に目標となる選手がいるので、自分ももっと高みを目指そうと思える環境」と語るように、先輩たちの背中は大きな道標だった。
センターバックとして何より大切にしているのは、仲間との対話である。「最終ラインはピッチ全体が一番見えるポジションなので、常に声を掛け続けることを意識したい」。代表活動でも、その姿勢は変わらない。初めて顔を合わせる選手ばかりだが「コミュニケーションを大事にして、自分から積極的に話し掛けたい」と自然体で臨む。寄せ集めのチームだからこそ、最終ラインを束ねる言葉が守備の土台になると知っている。
日本代表として初めて袖を通す日の丸のユニフォーム。「やっぱり重みは感じる」。7月にはU―17女子アメリカ代表との国際親善試合が待つ。高校では通用してきたスピードや守備が世界でも通じるのか。「どこまで通用するのか楽しみ」。不安よりも挑戦への期待が勝っている。

大下が背負うのは日本代表だけではない。「日本一のチームの代表として恥ずかしいプレーはできないし『柳ケ浦はこれだけやれる』ということを見せたい」。全国王者の看板を背負う覚悟は、普段の公式戦にも表れている。「柳ケ浦は守備がいいと言われるし、相手は(柳ケ浦から)1点取るだけでも喜ぶ。だから失点は許されないという意識がある」。毎試合、無失点。その高い基準が日本一を支える原動力となっている。
サッカーを始めたのは小学1年の頃。さまざまなポジションを経験し、中学からセンターバックに定着した。「自分の良さが一番生きるポジション」。一方で、中学時代にはサッカーを楽しめなくなった苦しい時期も経験した。それでも高校進学後、人間性まで大切にする柳ケ浦の指導に出会い「冷静に周りを見ること」を学んだことで大きく成長した。
代表合宿へ向かうバッグには、チームメートから託された手紙が入っている。初めて尽くしの代表活動。不安もある。それでも一人で戦うわけではない。仲間の思いを胸に、大下は柳ケ浦の代表として、そして日本代表として世界への第一歩を踏み出す。 (柚野真也)
地区を選択
学校名を選択