九州大会 カヌー女子 大分豊府が4位 楽しむほどに速くなる 【大分県】
カヌー
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全九州高校体育大会 カヌー
6月20日 豊後高田市真玉カヌー場
男子カナディアンペア決勝
5位 大石真理・江口日陽(大分舞鶴) 2分02秒92
過酷な一日だった。風の影響で2日間開催の予定だった全九州高校体育大会は1日に短縮。カヌー競技ではシングル、ペア、フォアの全日程が一気に行われた。地元・真玉カヌー場で行われた大会で、大分舞鶴の大石真理(まこと、3年)と江口日陽(2年)のカナディアンペアは5位に入った。
カナディアンペアは、片側だけにブレードが付いたパドルを使い、左右に分かれた2人が呼吸を合わせて艇を進める種目だ。わずかなズレが艇の失速や蛇行につながる繊細な競技だ。だが、この日の2人は本来の力を出し切れなかった。予選、準決勝は横風に苦しんだ。艇を真っすぐ進めようとする意識が強くなり過ぎたことで、こぎそのものに集中できなくなった。
江口は「曲がらないようにということばかり気になって、自分たちのこぎができていなかった」と振り返る。大石も「予選と準決勝は思うような内容ではなかった」と認めた。それでも決勝前、2人は気持ちを切り替えた。「最後はいい結果で終わろう」「楽しんでこごう」

互いに声を掛け合い、余計なことを考えるのをやめた。足立和宏監督からも「練習でやってきたことをそのまま出せばいい」と背中を押された。艇の前に乗る江口はエンジンだ。パドルを立てて水を捉え、体重を前へ乗せながら力強く艇を引っ張る。大石は後方から艇を操る司令塔。江口の推進力を生かしながら、進路を修正し、声を掛けてレースを組み立てる。
役割が明確だからこそ、決勝では息が合った。「前だけを見る」。江口はそう決めてスタートラインに立った。周囲を気にせず、自分たちのこぎに集中する。大石も後方から支えた。結果は5位。それでも2人には確かな手応えが残った。
そもそもこのペアが結成されたのは今年3月。国民スポーツ大会へ向けて組まれたばかりだった。それでも大石は「最初から艇の伸びは良かった」と話し、江口も「こんなにこぎやすいんだと思った」と信頼を寄せる。学年を超えたコンビは、短期間で着実に完成度を高めてきた。
さらにこの日はペアだけでは終わらない。2人ともシングルとフォアにも出場し、1日で計7レースを消化した。雨と風、そして過密日程。江口は「こんな経験は初めて。最後は気持ちでこぎ切った」と苦笑いを浮かべた。

この経験は決して無駄ではない。大石は「全国で勝つにはもっとタイムを意識しなければいけない」と課題を口にしながらも、目標は明確だ。「インターハイ(全国高校総体)では全種目で決勝に残り、優勝を目指したい」。江口も「反省点を修正して、もっといいこぎができるようにしたい。先輩たちにメダルを届けたい」と力を込めた。
結果だけを見れば九州5位。しかし、風に苦しみ、疲労と戦いながらも最後に自分たちのこぎを取り戻した価値は大きい。発展途上の大石・江口ペアは、過酷な九州の一日を経て確かな成長を手にした。全国高校総体では、その経験を武器にさらなる飛躍を狙う。 (柚野真也)
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