OITA SPORTS

6/30 MON 2025

supported by

創美社

サッカー サッカー

ヴェルスパ 開幕2戦を検証 見えた収穫と課題

ヴェルスパ 開幕2戦を検証 見えた収穫と課題

 JFL参入8年目のシーズンがスタートした。ヴェルスパ大分は白星スタートを飾ったが、2戦目となったホーム開幕戦は3失点で敗戦。2試合で手にした収穫と、どんな課題に直面したのかをレポートする。

 

収穫

ポゼッションとサイド攻撃

 

 目を引いたのはビルドアップの向上。チームを率いて2年目となる須藤茂光監督は、簡単に長いボールを蹴らずに、最終ラインからパスをつなぐことを提唱している。これを実現するためには、足元の技術は必要だが、それ以上に運動量が必要だ。走ることでパスコースを増やして、スペースをつくる。基本的にはその繰り返し。それを止めたら攻め手はない。開幕から2試合を通して、パスをつなぐ意識は高く、隙が見えたら一気に縦を突く攻撃を見せた。キャプテンのDF福元考佑は、「昨年のベースがあり、ポゼッション(ボール保持)してからサイドや相手の背後を狙う形ができている」と手応えを口にする。

 また、確かなベースがあるため新戦力が融合しやすい。開幕から先発の座を射止めたMF瓜生昂勢、FW前田央樹はチームの戦い方を心得ており、瓜生は「ボールを動かす狙いは共有できている。相手を見てプレーすることができれば、もっとチャンスをつくれると思う」と話す。須藤監督は「サイドに散らし、形はいい。選手が自分の仕事に徹して、覚悟を決めてやろうとしている」ところに収穫を見いだした様子だった。

 

攻撃スタイルは向上している

 

課題 

最終局面における精度

 

 2戦目のラインメール青森戦で顕著となったのが、何度か決定機をつくり出したものの、最終局面の精度に課題が残った。クロスやゴール前でのトラップミス、シュート判断の拙さでチャンスを逃した場面が多々あった。この解消に魔法のレシピはなく、日々の練習でスキルを磨き、好機の絶対数を増やすしかない。安易に解決できる問題ではないが徐々に突き詰めたい。

 守備面では、ボール保持者への寄せが甘く、簡単に失点した。試合開始直後に先制点を許した青森戦は、「集中していたつもりだったが、あの失点が全て」(福元)と猛省したように、試合に入り切れなかった。キックオフ直後、相手の攻撃に対して何もできず、試合以前の問題だった。須藤監督は「メンタルの部分が問題。ホーム開幕戦を楽しみに来てくれた方にお粗末なプレーを見せて申し訳ない」と珍しく怒りを露わにした。今季はチーム始動から細かい守備の確認をしてきたが、まだまだ改善の余地は多い。試合展開や時間帯に応じたメンタルコントロールが求められる。

 

守備は改善の余地は多い

 

(柚野真也)

大会結果