ラストバトル〜3年生、最後の戦い〜 ハンドボール男子 出場辞退を経験した大分のその後

2021/08/18
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 全国高校総体(インターハイ)を目標に競技を続けてきた3年生にとって非情な知らせが届いたのは大会前日だった。校内で新型コロナウイルスのクラスターが発生し、数人の部員に感染が確認され、県高校総体の出場辞退を余儀なくされた。

 3月の全国高校選抜大会の出場を逃したハンドボール男子の大分にとってラストチャンスとなった全国舞台。前キャプテンの石川司門(3年)は「何も考えられなかった。目標としていた舞台に挑戦することさえできなかったのだから」と述懐する。石川は全国高校総体に憧れ、大分中学・高校に入学した。「6年間インターハイに出ることを目標としてきた」だけに落胆は大きかった。

 

 「あの日のことは忘れられない」と語ったのは藤家圭二コーチ。秋の県高校新人大会、冬の全国高校選抜大会県予選で大分雄城台に敗れ、もう一度原点に帰って、基礎練習から徹底して見直し、筋力・体力強化を課した。全国高校総体に向けて努力した3年生の姿を一番近くで見てきた藤家コーチは3年生9人の家を一軒一軒訪れたが、顔を見ることができなかった。「これまでよく頑張った」とねぎらい、大学で競技を続ける選手には「ここで気持ちが折れたら終わる。悔しさをこの先につなげることができるかどうかは自分次第だ」と声を掛けるのが精一杯だった。

 

大学でも競技を続ける石川司門

 

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