県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
竹田高校 投打がかみ合い躍進、夏への期待高まる
九州地区高校野球大会県予選で見えた注目校の収穫と課題 #09
収穫:4強入りで得た大きな自信
課題:失策から崩れた守備
第142回九州地区高校野球大会県予選で快進撃を続けた竹田は、今大会の台風の目となった。準決勝では前日に完投したエース後藤直己(3年)を休ませ、深田俊輔(2年)を起用。投打ともに奮闘したが、中盤に守備の乱れから主導権を奪われ、3−5で決勝進出を逃した。
今大会は後藤、深田の技巧派投手2人の好投とオフの間に鍛えた打線が光った。1回戦、2回戦と接戦を制し、準々決勝では後藤が日田林工打線を翻弄し、完封勝利を収めた。
準決勝でも中盤までは投打ともに好調だった。1回に先制されたが、2回に2点を返し逆転。その後も初球から打って出る積極的な打撃で気迫を見せ、巧妙な投球術で飛球を打たせる勝ちパターンにはまっていた。試合の流れが変わったのは6回。失策から先頭打者に出塁を許すと「悪い雰囲気がみんなに伝わって崩れた」とキャプテンの髙野建志(3年)。それまで好投していた深田は失策をフォローしようと力み、杵築打線に捕まった。ここで一気に4点を失い、その後巻き返しはならなかった。
中盤まで主導権を握っていただけに、流れを変えた失策が悔やまれる。髙野も「守備から崩れることが多い。ピンチでもしっかり守れるチームづくりをしたい」と夏に向け守備力強化を課題に上げた。上尾隆一監督は守備の課題に言及しつつも「上出来。ベスト4まで勝ち上がって手にした自信こそが何より大きな収穫。この自信が夏に生きる」と手応えを口にした。
今大会エース後藤直己は一気に才能を開花した
監督インタビュー「夏は十分優勝が狙える」
(準決勝杵築戦の)6回に守備の要となるセカンド髙原(渉太郎・3年)が脱臼し、離脱したのが大きかった。交代した穴井(翔慶・3年)も頑張ってくれたが気持ちの準備が間に合わず力を出しきれなかった。
試合内容については非常に満足している。多少の課題は残るが、なにより自信を得たことが大きい。選手には今まで何度も「うちのチームは上を狙える力がある」と伝えてきたが、自分たちの力を信じきれていない部分があった。しかしベスト4に入ったことで、“やれるんだ”と肌で感じることができたと思う。
打線はオフの間に鍛えてきた成果が出せた。短い練習時間の中でもいろいろなバリエーションの振り込みをして、相当な数をこなして仕上げてきた。大会の中でも成長し、これも自信になったと思う。守備についてはポジショニングに細やかな対応が必要だと感じた。今日はその指示が遅れ、対応できない部分があった。そこは僕の責任。ただ、選手たちにも気を回せるようになってほしい。投手はエースの後藤、深田と完投できる選手が2人いる。これは心強い。特に後藤は明豊打線に十分通用する力を持っているので、勝敗は周りがどれだけフォローできるかに懸かっている。
うちは部員が19人しかおらず、正直選手層は薄い。一人ひとりの適性を見極めながら、最も合うポジションにピースを埋め込んでベストなチームづくりをしていきたい。夏に向けて特別なことはしない。選手が少ない分けがに気をつけながら、今までと同じようにやっていく。このまま順調に仕上がれば夏は十分優勝が狙えると思っている。
ベスト4進出が大きな自信となった
(甲斐理恵)