中津東高校 激戦区を勝ち上がり、4大会ぶりの優勝目指す
- 冬の全国大会
全国高校サッカー選手権大会特集(5) 中津東高校
高校サッカーで最も注目が集まる全国高校サッカー選手権大会(選手権)の出場権を懸けた県予選が始まる。シード校を中心に注目校を紹介してきた今回の企画。最終回は4大会ぶりの選手権出場を目指す中津東だ。
選手権県予選前の最後の公式戦となった高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2018 OFAリーグ(OFAリーグU-18)の18節大分戦で1−6と大敗を喫した。立て直しは急務だが悲壮感はない。「これからチームが大化けすることはないが、選手が一体となり、どれだけ隙をつくらないようにできるかが重要」と軸丸耕平監督。エースと呼ばれる突出した選手はいないが、チーム全体でリスク管理を徹底し、攻撃では数的有利から得点機をつくるのが中津東のスタイルだ。全員守備・全員攻撃のチーム力で勝負する。
OFAリーグU-18の17節大分上野丘戦では、試合の入り方が悪く、早い時間帯に2点リードされる展開だったが、後半に逆転した粘り強さがある。キャプテンの上杉理貴(3年)を中心に、ボールを動かし、相手の急所にパスを出し、したたかに試合を進める。運動量と球際の強さをベースに前線にロングボールを放り込むこともあれば、しっかりパスをつないでボールを保有する時間をつくり出すこともできる。
6月の県高校総体の初戦でハットトリックを決め、派手なデビューを飾った1年のFW原田柊は、前線から守備するチーム戦術に戸惑うこともあるが、スピードと鋭い得点感覚に磨きがかかっている。軸丸監督は「選手権予選は3年生にとって最後の大会なので力が入り過ぎるが、1、2年生は思い切り自分の力を試せる」と期待を寄せる。
初戦の日本文理大学附属戦から強敵との試合が続く激戦区を勝ち上がらなければならない。上杉は「高校3年間の思いをぶつけたい。チームの雰囲気はいい」と充実感を口にした。
攻守のカギを握る上杉理貴