全国高校サッカー選手権大会県予選特集③ 3年ぶりの全国選手権に向け、アウトプット力高まる大分西

2020/09/22
  • 冬の全国大会

 高校サッカーで最も注目が集まる「全国高校サッカー選手権大会」の県予選が10月24日に幕を開ける。憧れの舞台を目指し、39校の精鋭たちが県代表の座をかけて戦う。今大会は本命不在、混戦が予想される。その中で2月の県高校新人大会、7月の県高校総体で結果を残し、シード権を獲得した4校に注目。1カ月後のラストバトルに向け、現状を分析した。

 

 県新人大会の王者として臨んだ県高校総体で、大分西はあっさり初戦で敗れた。決して慢心があったわけではないが、戦闘モードではなかった。九州新人大会で強豪校と対戦し、全国で勝つことを目標としてきたチームにとって、全国につながらない大会は味気ないものに思えたのかもしれない。キャプテンの上野翔真(3年)は「言い訳はできないが気持ちが入っていなかった。県総体でふがいない試合をしたので優勝しか考えていない」と、全国高校選手権大会への出場に向けて強い思いを示す。

 

 3年生は中学3年時に、同校が初めて全国高校選手権大会に出場した試合を見て、進路を決めた部員が多い。上野もその一人だ。「憧れから目標になった」。入学してから2度の挑戦は、県予選の決勝戦にさえたどり着けなかった。今大会は3年生にとって残された最後のチャンス。県高校総体後は西高スタイルであるパスサッカーの精度を高めるとともに、勝負にこだわる。首藤啓文監督の言葉を借りると「アウトプットする瞬発力」を手にした。試合の流れが悪いときはしのぎ、勝負どころでは一気にゴールを狙う。勝負の機微を感じ取り、瞬時に力を放出する力が備わった。

 

チームに安定感をもたらす上野翔真

 

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