全国高校サッカー選手権出場を決めた大分 どこからでも点が取れ、勝てる理由
- 冬の全国大会
また、攻撃とは表裏一体の守備が安定している点も見逃せない。「計算できる守備を構築しなければ勝てない」という小野正和監督に守備意識を叩き込まれたチームは5試合を1失点に抑えている。キャプテンの佐藤芳紀(3年)を中心にラインコントロールをしっかり行い、中盤の選手とともに中央に穴を開けることなく、バランスよくプレーできている。
その結果、「思い切って攻撃に出ていける」(瀬藤)ため、サイドにボールを展開したときにも、ゴール前の攻撃枚数が足りないという状況に陥ることが少ない。
各選手の異なる特徴をうまく組み合わせている。「お互いがどういう選手なのか特徴を分かっている」と菊地はいう。そうしたいくつかの要素が凝縮されたのが決勝戦の先制点だった。菊地のドリブル突破から、瀬藤がペナルティエリア前に飛び込み、最後は大神がスピードを生かして裏を取り、仕留めた。小野監督が「しっかりパスをつなぎながら崩していく狙いとする形」として挙げたのも、このゴールだった。
今大会を見る限り、チームとしてやるべきことを徹底し、ベースをつくった上で、「選手のアイデアと判断」をうまく引き出すことに成功している。
「個性が強く、自分がチームの中心で、自分の得点、アシストで試合を決めてやろうという選手が多い。だから高校からチームに加わっても溶け込みやすい。ただ、わがままなプレーと個を出すことは違う。チームが勝つために自分に何ができるかを分かっていない選手はウチでは試合に出られない。勝つ喜びを知っているから一つになれる」
そう話す河井部長から、自然と笑みがこぼれるのも無理はない。
選手の特徴を組み合わせ連覇を達成
第98回全国高校サッカー選手権大会県予選
2回戦 13-0佐伯鶴城
3回戦 6-0中津南
準々決勝 1-0大分上野丘
準決勝 7-1大分西
決勝 4-0柳ケ浦
準決勝の様子はこちらから
全国高校サッカー選手権県予選 PK勝利の柳ケ浦、苦しみながらたどり着いた決勝
(柚野真也)